ひば

ゴジラxコング 新たなる帝国のひばのレビュー・感想・評価

4.3
前回もシャワーシーンで始まったので監督はコングのことセクシー俳優と思ってるのかもしれない。一方で全然話通じないゴジラが舐めた格下をシメ回ってるのがよかった。幼なじみのあの子、煽り芸が染み込みすぎてるヒョロ長ヤンキー、薄氷の美女…なんの話ですかこれは。サイレント映画の手腕だろうか、わたしには何言ってるかわかると断言できる技術が素晴らしい。動物の笑みは威嚇から服従の意のグラデーションですとよくわかった。スカーキングさんの登場シーン、首の角度と肩のラインが絶妙すぎて歯をむきだしにしました。
最近わたしが今までワクワク見てきた冒険譚は西洋の帝国主義の植民地支配の話で、目的は人間の根元に宿る探求ではなく資本のために資源を根こそぎ奪っていくものったんだって改めて気付いてかなりショックを受けてたんだけど(でも髑髏島はそういう話だったよね、かつ負けを認められない人たちの哀愁もあり)、歯科医さんがそういう話をしててなんかよかった、ふつうに伝染病とか心配です。奴隷建築を大破壊してたのもそういうことかもしれん。個人的にはゴジラ上陸地点がWW2連合軍の見せ場だ…と思いました。
ブライアンタイリーヘンリーの陰謀論おじさんは接する人=権威の人を選んでとにかく自分を信じてほしい一心だったけど、新世界と歯科医に出会ってほんとうはそうじゃなかったんだと気付いたと思う。君を信じるよって言われてないしね。わたしも救われたような気になれたのでよかった。監督は『ザ・ゲスト』で気に入ったのか、ダンスティーヴンスはとても素敵だった。ダンスティーヴンスを色んな役に着せ替えして楽しんでいるのが見えた、こういう路線でいってほしい。アロハシャツで密林に来るな。人間たちのことはみんなすきだったのでこれからも仲良く幸せになと思いました。ハリウッドのずんぐりゴジラがすきなのでいくらでもあっていいです
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