サンヨンイチ

ゴジラxコング 新たなる帝国のサンヨンイチのレビュー・感想・評価

3.5
前作ではいよいよ人間は蹂躙されるミクロな存在だったが
遂に本作では人間は蚊帳の外。ストーリーに存在してもしなくてもよい空虚と化した。
人間の私生活が映し出されず、コングの食事やシャワーシーン、ゴジラのスヤスヤシーンなどが優先的に出てくるとは驚いた。主人公は100:0で怪獣だったのだ。
冒頭より、敵から逃げ回るコングはさながら
ドウェインジョンソン、
ジェイソンステイサム、
マドンソクを想起させる。
とんでもない映画に付き合わされそうだ、と
肩をすくませるや否や
矢継ぎ早、超速テンポでツッコミを置き去りにする
モナークの超技術と世界観のおさらい。
思考が追い付かず、ブフォフォと笑う暇しか許されない突貫工事設計は
思いの外計算された構造となっており、
トンデモ設定を完遂させようとする気概を感じる。
手を抜いていると全く感じないのは流石である。

一線を越えたのはゴジラでもコングでもない、
アダムウィンガードだ。


ただし、いくらなんでも荒唐無稽過ぎるし、
こういう作品を手放しで喜びすぎるのは…という悲哀も同時に感じてしまうのである。
特に凍傷を治してしまう注射の力と
その怪我すらも予見していた謎のコング用のグローブ。
流石にこの辺りの流れにはついていけず、ウトウトとしてしまった。