真鍋新一

ゴジラxコング 新たなる帝国の真鍋新一のレビュー・感想・評価

2.8
やっぱり怪獣は役者なんだということを再確認。人間も含めてみんな生き物なんだって。だからこそ、日本の怪獣映画の演出はあれでよかったんだと改めて感じることができた。それはとてもよかった。

それはそれとして、エンタメの本番ハリウッドだっていうのにあまりにも深み不足という悲しい実感。別にそれは今に始まったことではないけれども、ゴジラとコングという歴史あるキャラクターを使うことによる重厚さをただ借りているだけというか。

最近の大作にありがちなのだけど、地球を揺るがす大騒動が起きてるはずなのに、極地的な戦闘しか見せてもらえない苛立ちというか。壁画に描かれるくらいの聖なる怪獣のみなさんなんですから、まだまだこのくらいでは役者の立て方が足りないと思う。

あと、噛ませ犬みたいな怪獣があまりにも多すぎる。大コンドルとか、大ウミヘビとか、そのレベルの誰ソレ怪獣がたくさん出てきて、キャラが確立する前にあっけなく倒されたところで『怪獣総進撃』にはならないのですよ。東宝チャンピオンまつり的なゴジラ観がまさかワールドスタンダードになってしまうとは思いもよらなかったし、それはそれで一応受け入れはするのだけど、それならまだ人間たちにもできることがあるはず。バカ映画にもなりきれないスレスレのラインが一番中途半端で良くない。
真鍋新一

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