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ゴジラxコング 新たなる帝国のNowLoadingのレビュー・感想・評価

3.8
 昨日の一本。

 本作を悪く捉える人もいるのはよーく分かる。なんか「パシフィック・リムアップライジング」味を感じる。でも私個人では好意的な一作であった。一番大きいのは「ゴジラ-1.0」の存在。あそこでシリアスをやってくれるからこそモンスターバースでは思いっきり怪獣プロレスを存分に味わいつくせるのだ。

 大体「シン・ゴジラ」からのマイナスワンで大人向けのリアルゴジラが日本では続いている。そうなりゃ新規顧客となる子供たちに見せる作品がない。こういう時に子供心に響く一作というのは大事なポイント。特にヒーローもののミニマムなバトルではなくビルより大きい怪獣同士のど迫力の戦闘シーンがてんこ盛りが楽しい。

 特に最終決戦での無重力空間バトルなんか「パシフィック・リム」から始まったレジェンダリーの怪獣CGの総決算のような大暴れっぷりが見たことない。あほだなーと思いつつこの位の大暴れが見たかった訳なので大いに楽しんだ。大体ゴジラがジャーマンスープレックスする映画は本作以外もう見れることはないだろうから良かろうもんだろう。

 人間ドラマというかモナークの設定は何処へやらという位に怪獣プロレス以外の要素は殆ど薄味に仕上げている。その分コングのドラマパートを濃くして猿の惑星かって具合にキングコング2のような仕上がり。髑髏島に一匹しかいなかった彼が同種を見つけ出しボスザルとヤンキー喧嘩して追い出すというCG映画なのにストーリーが実に昭和感。こんな軽いノリが本作は続く。

 そんな東宝チャンピオンまつりな本作は好き嫌いが割とハッキリするのだが、日本のゴジラが立派に立ちあがっているからこそ本作もまた心から味わえる一本となっている。もしもマイナスワンがなかったらこの作品に正当な評価をするのは難しかったかもしれない。でも面白いからなにも問題はない。童心に帰ってスカッとするあの頃に戻りたくなったら見てみるとよいだろう。(予告でゴジラとコングがダッシュしてた時点でもう本作のスタンスがわかるはず)
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