この映画一切の邪念は捨て、頭空っぽにして観るべきものです。AppleTVでやっているモナーク、予習としてはまったく役に立たず、地上と地下空間の時間経過のズレなど完全に無かったような設定になっており、ひたすら怪獣バトルに徹していました。
前作今作とアダム・ウィンガード監督作品は「日本の昭和ゴジラシリーズ」のリスペクト色が強く表れており、人間ドラマなど余分な部分を極力そぎ落とし怪獣バトルとコング族の物語を全面に押し出して、コミカルで爽快なエンターテイメント作品に仕上げています。レビューの良し悪しが非常に別れるところですが、これはこれで面白く、例えるならライド系アトラクションを体験したあとの満足感というのが表現としては一番近いかもしれません。それは興行成績面でも頷ける結果だと言えるでしょう。
欲を言えば過去の設定を踏襲しつつ未回収の歴史の謎などは少しやってほしかったところです。またこのモンスターバースシリーズはゴジラが主演のはずがここ２作ともコングに食われ気味ようで、ゴジラサイドだったミリー・ボビー・ブラウンも今作は出てないし、怪獣王として次作は是非中心的に活躍してほしいものです。それにしても『パシフィック・リム』とのクロスオーバー企画はどこに行ったのでしょうね？
