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ゴジラxコング 新たなる帝国のナーオーのレビュー・感想・評価

4.0
人間ドラマをもっと減らせ!!!!

派手さ、楽しさ、ゴジラとコングの可愛さ
おまけに人間ドラマの面白くなさまで全てがアップグレードされた続編でした。

個人的にはアダム・ウィンガード×サイモン・バレット×ダン・スティーヴンスという『ザ・ゲスト』のトリオが再集結していたのが何気に熱いポイント。

前作『ゴジラvsコング』で本シリーズはこれからバカ映画としてやっていく という方向性が確立し、本作もこちらが求めているバカっぽいさ全開で、細かいことは気にせず、なにも考えずに観る分にはめちゃくちゃ面白かったです。

このシリーズで無駄にダラダラしがちなドラマ部分は全部コングにやってもらう という画期的なアイディアは前作『ゴジラvsコング』から引き継がれており、人間は完全に脇役に回っています。しかし人間パートは少ないとはいえ、相変わらずその部分はつまらないので、人間パートになった途端、一気にテンションも下がってしまう… 実質コングが主人公で物語は成り立っているので、これだったら人間ドラマをもっと減らせたと思う。

人間ドラマパートも面白くさせようとしている製作陣の努力は伝わる。特にダン・スティーヴンス演じるトラッパーはこの"モンスター・ヴァース"シリーズの登場人物の中で最も魅力的な人物だったと思いますが、どうしてもゴジラとコングのキャラ性が強過ぎるので印象に欠ける…

前作に引き続き監督を務めたアダム・ウィンガード。前作は初の大作映画ということもあってなのか、ウィンガードらしい暴力表現は控えめでしたが、今回はコングが敵対クリーチャーを八つ裂きにして返り血塗れになる という ちょっとしたゴア描写もそれなりにあり、イェーイ!って感じでした。

『ゴジラvsコング』よりも色々と振り切ってきて本作の方が面白かったです。ただそろそろアダム・ウィンガード監督には『サプライズ』や『ザ・ゲスト』のような小規模なホラーやスリラー映画をまた作って欲しい。次回作はA24製作のアクションスリラーらしいのでそちらに期待です。

あと最後にひとつ……
本作の悪役ゴリラ、スカーキング。
アイツが地下帝国で他のゴリラ奴隷たちにやらせている、あの意味のなさそうな重労働、あれってなにが目的??

本当に意味がなさそうということ込みで
とても面白い、愉快な作品です。
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