あかりポンポコ丸

アイスクリームフィーバーのあかりポンポコ丸のネタバレレビュー・内容・結末

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

大好きな川上未映子の映画ができるということで見に行った!
icecream fever、I scream fever、愛すcream fever、いろんな読み方ができるんだなとイントロの文字で気づいた。
「熱(フィーバー)に似た、心を捉えて離さない衝動」!恋だったり憧れだったり友情だったり。

どんなに夢中になって好きになった人がいても、いつか忘れてしまう儚さ、それでもその経験が心の中に小さく残っていて次の行動、その後の人生に影響していく(千原監督のnoteより)
夕立みたいに菜摘の前から去ってすごく薄情で冷たいと思えた佐保も、次の本に菜摘の言葉をタイトルにしていて。
全ては経験になって自分の中に残っていくのだから、その熱がどんなにすぐ終わっても意味がないなんてことはないんだろな。

冷たくて、甘いの、冷たいがポイントなのかな?アイスを食べすぎた後の風邪と同じでより熱を出させる気がする。この映画で言うと佐保の冷たさ、異質さは菜摘をどんどん惹きつけるし、甘さを見せてくれたと思ったらもう目の前からいなくなって二度と会えない。それで余計、菜摘のなかの熱の火傷の痛みは強くなるし時間がたっても微熱をもってかさぶたみたいにずっと残り続けるんだろうな。

姪っ子はお父さんに、松本まりかは元恋人に、貴子は菜摘に?…自分から去った人に熱を感じながらも最後はみんな自分でその場所から去ることを決めることで熱にけりをつけている。菜摘はちゃんと熱にけりをつけられたかな。

印象に残ったシーン
・菜摘が一目見ただけなのに憧れ?恋にも似た感情を抱く女の子、佐保の容姿からしぐさ全てを詳細に日記に残してて、でも言葉が下手だから的確に形容できる言葉がないという。答えがないからこそ私だけのものだ。(私も女の子にそう思ったことがあるから共感してた)

・佐保の「夕立のような人でありたい」

・松本まりかの「幸せか幸せじゃないかなんかもはやどうでもいいから、問題は私か私じゃないかだから!」

松本まりかのしぐさ、話し方がなんかあざといな、わざとらしいなと最初思ったけれど、通して見てめちゃくちゃ好きだったな。1番魅力を感じて熱を持って惹きつけられた。