幽斎

“あれ”がいる廃墟の幽斎のレビュー・感想・評価

“あれ”がいる廃墟(2017年製作の映画)
3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第22 界。原題「Against the Night」アメリカ映画だけどアメリカ英語の体を成して無いが、意訳すると「夜幕降臨」、邦題が何かに似てるんだけど思い出せない(すっとぼけ(笑)。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

既に御覧の奇特な方は信じられないだろうが、本作は地味に劇場公開され、タイトルは「Amityville Prison」。コッチの方が断然分かり易いが、何で配信に回された時に抽象的なタイトルに変更したか意味不明。Brian Cavallaro監督は日本では無名な存在だが、アメリカでは地下映画を制作するプロデューサーとしてソコソコ有名、日本で公開された作品はハリウッドのレジェンドBurt Reynoldsの遺作「ラスト・ムービースター」。Mel Gibsonの最新作「Panama」とか、目利きは悪くない。

しかし、監督としての才能が無いのは明白、刑務所とPOVと言えば「グレイヴ・エンカウンターズ」続編はアカンが、一作目は意外と面白いが、POV好きな私でも食傷気味のモキュメンタリー。プロットが類型的なのも承知、人を増やせば面白く成るかと言えば、逆に人物描写に割く時間も限られ、POVの前提を説明する事自体が間違い。廃墟に大挙して訪れるとか、近所迷惑以外の何モノでも無い。京都にも有名な廃ホテルが有るけど、よゐこは真似し無い様に。www.youtube.com/watch?v=rBwWlpHffYw

「ホルムズバーグ刑務所」アメリカでは有名な都市伝説、1950年代から約20年間も続いた実験。既に閉鎖してるフィラデルフィアのホルムズバーグ刑務所で、黒人の囚人に毒性の有る化学薬品を混入、彼らの皮膚の反応を観察。多くの囚人は気分が悪くなり無残な姿に為り果てた。毒は囚人の歯磨き粉、シャンプーに混ぜたと言われる。黒人の白人化計画、80年代のSF映画に在りそうな話がホントに有った。

褒めたいのは本物の「ホルムズバーグ刑務所」で撮影。似たプロットで私の好きな「セッション9」スリラーの名手Brad Anderson監督の代表作、実在のダンバース精神病院を舞台。には程遠いが(笑)、雰囲気は「ほん呪」とか「Not Found」と違い凄く良いのでソレだけでも観る価値有るかもしれないが、兎に角肝心の映像がSONYの結構良いテレビで見てるけど暗過ぎて役者の判別が見難いのがシンプルにダメ。

POVを捨て画面が悪戯に切り替わるので「パラノーマル・アクティビティ」動かない絵が如何に凄いか良く分る。グループの人数も9人と大所帯で顔と名前が一致しない。誰でもクソ映画と思った最後に登場する「アレ」の存在。あぁ確かに伏線は有ったよ。大所帯もキルカウントを増やす為の設定。今年は「アレ」と言えば阪神タイガースですが、一番良かったのは最初の〇乗位かも(笑)。

地下モキュメンタリー・ホラーにしては結構な掘り出しモノ、意外と暇潰しに為るかも。
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