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ウィ、シェフ!のkaoのレビュー・感想・評価

ウィ、シェフ!(2022年製作の映画)
3.9
美味しい食事って豊かな時間を与えてくれる大事なものだなぁと改めて思う。国は違えど皆思い出の料理があるんだね。生き物である限り万人は何かしら食べて生きているから、性別人種問わずあらゆる人と仲良くなるにはまず「まぁまぁご飯でも食べましょか」からなのかもね。
カティ自身も、料理を糧に人生切り開いてきた当事者だったんだもの…あの冒頭のお料理のレシピだけは譲れなかったのは共感する。
カティが徐々に少年たちと関わって心の距離を縮めていく過程がとてもよかった。畑で一緒に収穫をし採れたての野菜の香りを体験させてもやり、決して一方的ではない、ともに汗水垂らして1つのことに向かって時間を過ごしていくからこそ、皆の中に自然と楽しさも追求するワクワクも生まれて1つのチームになっていく様子が妙に泣けた。口だけではない常に伴走してくれるようなカティだからこそ信頼してもらえたのだと。
少年たちが自分も夢見ていいんだという事に目覚めてからの笑顔が実にいい。
誰かの作った料理を美味しいといって食べるって行為は、相手の事を信頼していないとできないことだと思う。そこらの猫だって知らない人間がいきなり何か差し出したって食べやしない。昔、息子が反抗期ピークだった頃、何につけご飯を出しても「要らない」と素っ気なく言われた時期があって、あぁ母として私は今、息子には信頼されてないんだなぁと感じて日々しんどかったことがある。そんな息子は食も細かったのになぜかイタリア料理の世界に飛び込んで修行中だ。息子が5歳頃だったか下の子の育休中で、粉をこねてパンを初めて息子と一緒に焼いた時の、みるみる膨らんでいくさまをオーブン覗き込んでいた息子の顔はよく覚えている。
この作品を観終わった後に「はて?子供らにとっての思い出の料理って何なんだろう。何か1つでも私は授けてやれたんだろうか」と考えてしまった。うーーむ、料理ではないけど、おやつに「芋餅」はよく出したなぁ。じゃがいも茹でてマッシュ→少し塩いれて小麦粉と牛乳ととろけるチーズ加えて混ぜて→丸めてバターしいたフライパンでこんがり焼く!砂糖とお醤油の甘辛ダレつけて熱々をモチっと食べるやつ

美味しいものがたくさん観れて明日の活力になるストーリーの映画っていいね!✨
kao

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