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AFTERGLOWSのssのレビュー・感想・評価

AFTERGLOWS(2023年製作の映画)
3.0
ずっと悪夢を見せられているかものようなモノクロの画面。ただのモノクロではなく、木村太一タッチの露光量のキツい絵が悪夢的。
ストーリー展開が散漫な印象で、筋書き上にシーンが存在しそこに演出があると言うよりは、演出が全ての上位概念にあり、その演出のためにストーリーがあるような形が透けて見え、演出も画面の中の運動や構図に意味を持たせるのではなく、編集上でこねくり回したものになっているのがやはり映画的ではなかった。
名作にはある映画的な奇跡の瞬間は、ストーリーで観客をふりまわし、その先に映画でしか得られない幸福的な瞬間が現れるものであると思う。映像作家出身としてのアイデンティティは、映画として語る上ではどうしても裏目に出てしまうと思った。
悪夢的なモノクロはある意味成功していたが、舐達磨『montage』のような、フィルムの中での影の演出をこの映画で使うとどうなったか見てみたかった。

2023 #4
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