このレビューはネタバレを含みます
忖度なく申し上げますと、かなり苦手です。個人的な感想で作品の良し悪しではないのがレビューだが、本当に合わなかった。ただ冒頭、始まった途端の映画に「飲み込まれる」感覚は確かにあって、映画を見ながらこんなに眩しい光をモノクロで浴び続けたのは初めてだった！し、映像美に対する強いこだわりも感じた。すごく新しい映画だった。
そこまで来て何が合わないかと言えば、もう言うだけ申し訳無いくらい個人の感じ方だけれども、主人公にある「不快感」が真っ先に上がる。これは故意に引き出したのかな。極め付けは銭湯のシーンだけど、終始、「終始」という言葉が心からピッタリなのだけど、彼は人に迷惑をかけて生きている。胸糞が悪い。彼を襲う社会の不条理が、こんなにも身から出た錆と言わざるを得ないのも見ててしんどい。何にでも当たり散らすその態度、行動が全て自分に返ってくる。こんなにも見ていて気持ちが良くない映像、というか物語はほぼはじめてじゃないか？その不快感をどうにか映像で美しくしようとしても無理がある。この映画に出てくる女性はさゆり、ちさよ位（あとタクシー会社のおばちゃん）なのだが、ヒロインが男性の所有格にされているのも本当にキチィて。大嫌い。大嫌いだよ。
