小美と関わりを持った人々のモノローグで語られる構成。それぞれの語りが長回しで撮られ、カットが途切れないまま台詞が語られるため、俳優たちの技量が試される。さしずめ台湾版「バードマン」。ただそれと違うのは、カメラと登場人物の動きが少なく、ゆっくりなことか。さすが現代台湾映画のオールスター達で、長回しに耐えうる語り・表情・仕草に魅入ってしまう。

最初は何がなんだか分からないものの、段々と「小美」の人となりが立体的になっていき、彼女の謎めいた過去の行動に理由が見えてくる。ラストシーンの意味は分からなかったが、いつかふと分かる時が訪れそうな、記憶に残る映像。

時々、登場人物と監督が会話するシーンが挟まれたり、過去の回想とモノローグが入り混じったりと、「同級生マイナス」を思わせる構成(と登場する俳優)に、てっきり同じ監督だと思っていたが、違うようだ。映画の常識を壊すかのようなこの方法はとても面白い。

中国語の判読能力が低く、結構分からなかったので、また見たい。語りが綺麗で、発音とリスニングの練習にも使えそう。

(Filmarksになかった作品だったので、メールでお願いしたら入れてくれました。公式さんありがとうございます！)