野

映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコの野のレビュー・感想・評価

4.0
すみっコぐらしの世界にアクションとミステリ要素を持ってきたことに最初は面食らったけど面白かった。個人的にこの3作目が一番好き。

すみっコぐらしで一貫して描いているなあと思うのは、何らかの形で登場人物が抱えている疎外感にフォーカスしているところ。
今回中心人物として据えられていたしろくまには「生まれつき寒いのが苦手」という、生来持って産まれていて自分ではどうにもならない性質があった。周りも双子のきょうだいもみんな寒風吹き荒ぶ外で遊んでいられるのに、自分だけ家の中で震えていることしかできないのは、子どものしろくまがどれほど疎外感を覚えていたか想像に難くない。
そのしろくまの孤独を和らげていたのが、他でもないあのぬいぐるみだったんだろう。原型をほとんど留めていないくらい何度も何度もあてられた継ぎ目が、どれだけ幼いしろくまに寄り添っていたのかを物語っていた。

あと毎回エンドロールでしっかりめに後日談を描いてくれるところが好き。やさしい。こんなん泣いてまうやろ
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