観る前に注意点が2つ。
・お子さんと一緒に鑑賞する場合、必ずトイレに行かせて欲しい。出ない・行きたくないとどんなにゴネても事前にトイレに絶対行かせてほしい。途中離席したくなければトイレに行くこと。ひいては周りの観客への配慮にもつながる。気持ちよくみんなで鑑賞するために、是非とも観る前にトイレに行って欲しい。
・エンドロール終わっても席を立たないこと。
以下ネタバレ含む。
原作が元から好きでずっとアニメを観ているが、映画化するにあたり担当する脚本家に不安があり観るのを迷っていると、原作者が監修しているということで、信じて観に行った。
冒頭のフォージャー家とはなんぞや?の説明シーンがとてもよかった。
他社作品の映画版名探偵コナンと同様、この人物はこうで…と説明が入るので、SPY×FAMILYをあんまり知らない人でも観れる仕様になっていたと思う。
前半の家族の日常シーンはほのぼのしてるところも多いが、
後半の主人公であり父親役のロイドと、母親役をしているヨルの、スパイとして・殺し屋としての部分が存分に発揮されていて、アクションシーンは見ごたえがあった。
流石進撃の巨人を制作していたWIT。
ヨルが調査兵団かと見紛うばかりの大胆なアクションシーンは見物なので、スクリーンの大きな映画館で観た方が満足度が高いように思う。
(完全に蛇足だが、彼女の穿いているカラータイツの会社がどこなのかぜひとも知りたいと思ってしまった。全女性が求める耐久性のあるタイツだと思う。
あれだけ動いても破れもしないタイツ、凄い。)
今回は旅行先での出来事とのことで、
新衣裳での活躍となるため、キャラ達が目新しく映ってとても楽しかった。
SPY×FAMILY自体お着替えがあるので、原作の良いところを取り込んでて好ましかった。
ロイドがタートルネックの服装なのが性格的に着なさそうなのに珍しいな…と宣伝絵が出た時から思っていたら、作中でそれが言及されてて納得した。
ジャンプ+のSPY×FAMILYを観ていたと思ったら、
コロコロコミックだったのか?と思う場面があり、
低年齢層をターゲットにして、原作やTVアニメシリーズよりもさらに年齢層を下げ、ファミリー層を取り込む算段なんだなとすぐに理解した。
冬休み直前での公開にもこれには頷ける。
逆にこれを理解して観に行かないと、原作しか知らない層はちょっと幼稚に映ってがっかりするかもしれない。
そのせいで、子供のアーニャがかわいそうな役に宛がわれているので、同情してしまった。
一応女の子なので、もうちょっと加減してあげてほしかった。
変顔も多く、アーニャの普段のかわいい顔があまり作画されなかったのもちょっと残念なポイントだった。
せっかく可愛い女の子を描くことに定評があるCloverWorksも制作しているのにもったいなかった。もっとかわいいアーニャが見たかった。
(後半のダミアンフィルムがかかっているアーニャは大層かわいかったが)
フィオナ(夜帷)がアシスト役として色々活躍しているのは面白くてよかったし個人的には満足したが、
本編に短いシーンで出てきたユーリがあんまり活かしきれてない気がしたので、出すならもうちょっと活躍させてあげればいいのに……と思ってしまった。
立ち位置的に難しいのだろうとは察することは出来るが、思わぬ出演に、彼が出ることでより面白くなるのかもしれないと期待したので、これだけ?と肩透かしを食らってしまって少々不満が残る結果になった。
ファンサービスで出ただけな印象を受けてもったいなかった。
フランキーが出てきたシーンで、アニメで言う所のCパート(オチ)は見破ったぜ…と冗談で思ってたら本当にまんまそのエピソードだったので、あまり意外性がなかった。
どういう話か知りたい人は、エンドロールが終わっても席を立たずに座って観てて欲しい。
旅行に行く導入も割と雑だし、
ヨルの酔っ払いエピソードがあんまり活かしきれてなかったので、それ入れる必要あった?と謎だったし(時間経過のシーンが欲しいなら、アーニャのお遊びに振り回されてて思わぬ時間を食ってしまったとかでもよかった気がする)、
普段のアーニャやロイドならもうちょっと賢く立ち回ってる感じがするのに今回お馬鹿すぎる気がする・早計な気がする……と思わなくもないので、やっぱり話の作りがちょっと雑に感じて、原作マンガやアニメがいくら好きでも、今作はリピートするほどではないなと感じたので満点にはしにくい。
お子さんにはウケると思うので、冬のキッズアニメとしてはいい出来かもしれない。
ただ、冒頭に書いた通り、お子さんにこの映画を見せるつもりなら、子供がどんなにゴネてもトイレには必ず行かせた方が良い。途中離席したくなければ絶対トイレに行かせてほしい。
周りで鑑賞している人たちへの配慮にもなるので。