てっぺい

劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteのてっぺいのレビュー・感想・評価

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
3.5
【ファミリー映画】
スパイ、殺し屋、読心術、ファミリーの内外含めたキャラの見せ場が豊富で見飽きない。アーニャの可愛さに終始身悶えしつつ、描かれる温かな家族愛に心もポカポカ。

◆トリビア
○実写と違い、アニメは普通のセリフと心の声のモノローグを流れで同時に収録する。“アーニャが人の心を読める”事が大きなポイントである本作では、収録時のその切り替えが大変な部分であり、挑戦しがいのある部分だと、ロイドを演じる江口拓也は語る。(https://www.crank-in.net/interview/138864/1)
〇中村倫也と賀来賢人が声をあてたドミトリとルカは映画オリジナルのキャラクター。実生活でも仲がいい2人のアフレコは、収録に同席した原作者も絶賛。コントのようなアドリブでの2人の掛け合いも息ぴったり、勢いで台本と違うセリフを言ってしまったシーンもそのままOKになったという。(https://natalie.mu/eiga/news/540645)
ヨルにひねられるシーンについて中村は「変な意味じゃないけど興奮しました。変な意味じゃないって書いてくださいね?」と語る笑。またアーニャと追いかけっこするシーンは、ぶっつけ本番の即興演技だったことを告白。「君たち面白いことやって」とのオーダーで、絵も完成していない中での結構な無茶振りだったと告白した。
(https://encount.press/archives/559668/)
○神様役の千葉繁は、アフレコブースにキャスト陣から神様と迎えられる中、「どうも、うんこの神様です」と挨拶したという笑。(劇場小冊子より)
○スナイデルは、グルメという設定から、マッシュルームのような髪型、調味料を腰に携帯し、マドラー風の杖を持たせた。(劇場小冊子より)
〇2019 年3月より連載がスタートした原作漫画は、総PV数が6億超、シリーズ累計発行部数3,000万部突破。ミュージカル化も大成功を収めた。(https://animeanime.jp/article/2023/06/20/78052.html)
○ ユナイテッド・シネマ/シネプレックスで鑑賞後の半券をアップするだけで応募できるプレゼントキャンペーンが開催中。(http://cine-fan.jp/uc/spy-family/)
○本作と 『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』のスパイコラボが実現。特別コラボ映像とコラボビジュアルが発表された。(https://spy-family.net/codewhite/special/special24.php)
○ 本作とディズニーアニメ映画「ウィッシュ」がコラボ。特別映像とビジュアルが公開された。両作品のヒロイン・アーシャとアーニャの名前が似ていることや“星”など、共通点が多いことから実現したという。(https://natalie.mu/comic/news/553800)
○ 本作と「ストリートファイター6」とのコラボ企画が始動。本作を手がけたWIT STUDIOが製作したコラボアニメは、ヨルと春麗が戦う姿を収録。2024年1月9日から対戦動画が配信される予定。(https://anime.eiga.com/news/120113/)
〇本作のコラボカフェが2024年1月25日(木)までの期間、カプコンカフェ 池袋店と梅田店で開催。フリジスの伝統菓子《メレメレ》をイメージしたメニューのほか、オリジナルノベルティプレゼントなどを実施。(https://www.pashplus.jp/event/319629/)

◆概要
テレビアニメ「SPY×FAMILY」劇場版。原作者の遠藤達哉が監修・キャラクターデザイン原案を手がけたオリジナルストーリー。
【原作】
遠藤達哉による同名コミック(集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」連載)
【監督】
片桐崇(テレビアニメ版助監督)
【声の出演】
江口拓也、種﨑敦美、早見沙織、松田健一郎、中村倫也、賀来賢人、銀河万丈、武内駿輔
【主題歌】
Official髭男dism「SOULSOUP」
【公開】2023年12月22日
【上映時間】110分

◆ストーリー
西国(ウェスタリス)の凄腕スパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーのもとに、進行中のオペレーション「梟(ストリクス)」の担当者を変更するとの指令が届く。一方、アーニャが通うイーデン校では、優勝者に「星(ステラ)」が授与されるという調理実習が実施されることに。ロイドは少しでもオペレーション「梟(ストリクス)」が進展していることを示し、現状の任務を継続できるよう交渉する材料にするため、どうにかアーニャに星を獲得してもらおうと考える。そこで、ロイドは調理実習の審査員長を務める校長の好物だというフリジス地方の伝統菓子を作ることをアーニャに提案。一家は本場の味を確かめるべく、フリジス地方へ旅行に出かけるが……。


◆以下ネタバレ


◆見せ場
まずはコレ。冒頭、ロイドの男性→女性への瞬く間の変身に、屋根に登れば教頭の読唇術、暗号で会話もすれば飛行機も操縦し、いとも簡単に隊員になりすます。ガンアクションもさながら、極め付けはスナイデルの変装。見ているこちらをもハッとさせるスパイ映画の真骨頂を見せつけるようなあのシーンが本作のロイドの最大の見せ場だったと思う。一方、“息の根止めさせていただきます”と丁寧で残酷なヨルの登場シーンも最高。飛行戦艦からの砲撃も、タイプFの銃撃もどんだけかわすのかと思いながら笑、ヨル様の戦闘シーンは何度見ても美しい。口紅の油を用いてタイプFを仕留めるシーンは意外な伏線回収であり、さらにそれこそヨルならではの戦い方、脚本の妙がここにあり。個人的には近々公開されるという春麗とのバトル映像が楽しみで仕方ない笑。管理官のフルメタルレディについても、オペレーション・ストリクスの後任のスキャンダルを暴いたのはおそらく彼女自身。〈とばり〉の“すき”も見れたし笑、ユーリはもう少し見せ場があってもよかったが、フランキーについては劇場小冊子で少しだけ活躍していたのでよしとする笑。色んなキャラクターにそれぞれの見せ場があり、ファンには十分楽しめたのではないかと思う。

◆アーニャ
そしてアーニャ。“ちち、はは、ただいま”と笑顔で2人を迎える可愛さ爆発の冒頭から、“ワクワク”と目をらんらんと輝かせて騒動を次々に巻き起こすご乱心ぶり笑。チョコの誤食直後の“うまうま”なジャブの可愛さから、“じごくにおちなべいべー”射的のストレートパンチ、ロイドのために縄を解いた勢いで窓の開閉装置にぶち当たる、大振りなアッパーカットのような可愛さまで、アーニャの魅力が頭から終わりまでみっちり楽しめた。こと、本作では便を我慢するくだりが最高。便意を誤魔化すための“がっこうでならったおどり”も爆笑だし、昇天するアーニャに“うんこの神様”まで登場するカオス笑(神様の胸には“ENGACHO”笑)。アーニャの可愛さが満点満足。

◆家族
ロイドの浮気疑惑にモヤモヤ、嫉妬心に彼の前でしどろもどろなヨルがキュート。“口紅が合わない”ヨルにすかさず新しい口紅をプレゼントしてしまうロイドの紳士さ。そんな2人のほんのり夫婦愛もあれば、本作は3人(+1匹)の家族愛が主軸。フリジスに向かう家族の微笑ましい情景もあれば、最後の調味料を家族で探すヨルの提案も温かい。事故まっしぐら飛行戦艦の舵取りを3人で協力するシーン(その時のアーニャの顔笑)、事故回避後3人で笑い合う姿に心ポカポカ。残念ながら調理実習は変更になったが、なんの躊躇もなく次の特訓旅行に向かう3人はもはや家族そのもの。ボンドに見えた未来予知には、当然3人の笑顔の姿があった、そんなエンドにほっこり。心温まる素敵な作品でした。

◆関連作品
○「SPY×FAMILY」
アニメ版。シーズン1のエピソード1〜25、シーズン2エピソード1〜12をプライムビデオで配信中。

◆評価(2023年12月22日現在)
Filmarks:★×3.8
Yahoo!検索:★×4.1
映画.com:★×3.4

引用元
https://eiga.com/movie/98609/
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