一夏

劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteの一夏のネタバレレビュー・内容・結末

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アニメーターさん凄い!!
動きや表情に、こだわり・工夫・フェチを感じた。
特にヨルさんが酔っ払ったとこ・ヨルさんがFと戦うとこ・うんこの神のとこ・トイレ我慢しながら敵に追いかけられるアーニャのとこ。
アニメーションの可能性感じる〜良い〜。
列車で移動する部分をオープニングのスタッフクレジット?にしてるの、秀逸〜。確かにちょっとクレジット遅い印象はあるけど、普通映画での始めのスタッフクレジットは間延びして暇だな〜と思うこと多いから、セリフなしのアニメのみでフォージャー家が用意して電車乗って目的地に着くの、自分もその旅行にご一緒してる感じがしてワクワクしたなあ。普通の演出だと移動はカットすると思うけど、家族旅行って向かいの移動がすごくワクワクするタイミングだから、そこをうまく組み込んでるの感心した。


内容は、ミッションインポッシブル×くれよんしんちゃん。
大衆向けで誰が観ても一定面白いように作られてる。オタクも子どもも嬉しい内容。今回はうんこのくだりとか、普段くれしん・ドラえもんあたり観にくる家族連れを意識して作られてるな〜と。
最後の機体の方向を3人で協力して変えるところ、取ってつけたように絆なのちょっとわろてもた。オトナ帝国の最後か。悪いわけじゃないけどもに。

わ〜楽しかった〜って感じなんだけど、裏を返すと、特に強いメッセージ性みたいなんはなくてtheエンタメって感じ。
行動目的があまりにもアクシデント・指令由来のため、1時間以上となるとすこーし中弛み感。


ロイドさんすこい。
ロイドさんがアーニャに危害を加えた(?笑)敵×2をボコすとことか可愛い。あれってアーニャに危害を加えたって腕章で気がついて殴ってるのよね??
感情とかも全部計算ずくかと思いきや、ちょーっとずつグラデーションで心変わっていっているのがラブリー。

最後アーニャがチェリーリキュール持ってて、ロイドさんがアーニャ褒めるんかな?と思ったら、優しい顔してあんまりなんも言わんかった+アーニャはそんときロイドさんの心読んだけどいつもみたいにロイドさんの心の声はわざと出てなかった(みんな汲み取ってね)という演出、アチ〜!サイコー!!


ここからスパイファミリーへのお気持ち表明(?)↓
アニメとかでもずっと思ってたけど、感情で動くキャラ、そうじゃないキャラ、はっきり意識されて描いてある。作者さんは多分そうじゃないキャラを考えるのが好きで、感情だけで動くキャラは「「「感情だけで動くキャラ」」」と思ってるんだろうなと。だのに感情で動くキャラを魅力的に描けるのが皮肉でおもろい。色々計算・計画して描くのがうまいから、感情をピタゴラスイッチさせるのがうまくて、結果感情キャラにコメディさせるのがめちゃくちゃ上手い。キャラの設定・立ち位置・性格の「旨さ」みたいなのを、パズルみたいに組み合わせるのうまい〜。分析が好きな人なんだろうな。計算でここまで人が面白いと思えるもの・ことを創れる能力凄い。
ただやはり、エンタメ特盛りで!と言った感じは拭えず、創作に私が求める強い信念の輝きのようなものが見えない。今回の映画も全体的にそんな感じだった。ただアニメーターさん・声優さんのこだわりの結晶を感じて、そこは本当に最高だと思った。

この設定でやるなら絶対に「家族愛」をもっと打ち出すのが王道だと思うけど(そこが一番の旨みだと思う)、作者本人があったか家族愛描写が嫌いとのことなので絶妙ですね。
一夏

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