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劇場版 SPY×FAMILY CODE: Whiteのkuuのレビュー・感想・評価

劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)
3.7
『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』
製作年 2023年。上映時間 110分。
集英社の漫画アプリ『少年ジャンプ+』連載の同名コミックを原作とする人気テレビアニメ『SPY×FAMILY』の劇場版。
スパイの父ロイド、殺し屋の母ヨル、超能力者の娘アーニャ、未来予知犬ボンドのフォージャー家が繰り広げる初めての家族旅行の行方を、原作者の遠藤達哉が監修・キャラクターデザイン原案を手がけオリジナルストーリーで描き出す。
テレビアニメ版監督の古橋一浩がアニメーションアドバイザー、テレビアニメ版助監督の片桐崇が監督を務める。

西国(ウェスタリス)の凄腕スパイ『黄昏』ことロイド・フォージャーのもとに、進行中のオペレーション『梟(ストリクス)』の担当者を変更するとの指令が届く。
一方、アーニャが通うイーデン校では、優勝者に『星(ステラ)』が授与されるという調理実習が実施されることに。
ロイドは少しでもオペレーション『梟(ストリクス)』が進展していることを示し、現状の任務を継続できるよう交渉する材料にするため、どうにかアーニャに星を獲得してもらおうと考える。 そこで、ロイドは調理実習の審査員長を務める校長の好物だというフリジス地方の伝統菓子を作ることをアーニャに提案。
一家は本場の味を確かめるべく、フリジス地方へ旅行に出かけるが。。。

遠藤達哉の『スパイ×ファミリー』の人気は此処まできたんかぁ。
遠藤の漫画のテレビアニメ化は2022年4月に初放送され、瞬く間に国内外のアニメ視聴者の上位に食い込んだ。
小生は連載当初から漫画を読んでるし、今、ある施設入所してる兄と慕う人にも、近々、コミックを差し入れする予定。
今作品は、秘密を抱えた家族の物語でありながら、家庭生活と国際的なスパイ活動の両方の陰謀を操る内容は、主要なメインストリームにアピールしている。
軽快なコメディとスリルを織り交ぜた心地よさを、個人的にはほぼ完璧に表現しているって思います。
※今作品のようなシチュエーション・コメディ・アニメを見たことがない?
ご心配なく。
今作品は、最初の10分間で主要な登場人物とプロットを改めて紹介していた。
コードネーム・トワイライトで知られるスーパースパイ、ロイド・フォージャーは、冷戦下の架空の西ドイツ風の国の平和を守るために働いている。
彼の極秘任務には小道具の家族を作ることが必要だが、彼が選んだ妻と養子にはそれぞれ秘密があることを彼は知らない。
問題の妻ヨルは凄腕の暗殺者であり、養女アーニャはテレパシー能力者。
そうそう、そして、飼い犬のボンドは未来を予知できる。
(アーニャは犬の心を読むことができるから犬語は理解しなくて良い設定。)
主要な3人の人間キャラはいずれも愛らしく、中でもアーニャの独特の子供言葉と熱意は、この辺りが彼女をブレイク・スターに押し上げたに違いない。  
今作品は、アニメ番組(およびそれ以前の漫画)をこれほど成功させた基本要素を取り入れ、細長い劇場の形で再現している。
それでめちゃくちゃ善き映画になるのかって問われたらそうでもない。 
趣味趣向は人それぞれやし。
しかし、ファンにとっては十分に楽しめる作品に仕上がっていると思います。
年甲斐もなく、劇場待合室にあれ今作品の写真撮るパネルで写真を撮っちまった。。。
まぁそれくらい今作品が好きならド・ストライクやと思います。
プロットは、まあ、番組の他のエピソードと同じような展開かな。
愛想のいい家庭ドラマと、疑似冷戦スパイ・クラフトをミックスした、いつものスパイ×ファミリーという感じ。
危険な小ネタが本当に盛り上がるのは後半だけで、のんびりした家族旅行と軍事スパイのセクションの融合は、この番組がいつもやっているようにはうまくいかない。
映画オリジナルの3人の敵役は皆、ちょっとした癖はあるが、それ以外は忘れてまう。
ただ、今作品は、番組の登場人物のほとんどを何らかの形で登場させることに成功している。
そのほとんどは、似たような場当たり的な役回りではあるが。
ヨルの執着心の強すぎる弟や、ロイドのお調子者の部下フランキーのようなキャラが、それぞれ1シーン半ほど登場する。
これらのキャラを見るのは嬉しいが、出番は多くない。
この種の劇場アニメ映画の性質は、通常、テレビ番組のプロットの現状を乱さないように展開する必要があること。
そのため、多くの作品はフィラー(番組の放送などで、間があるときの『つなぎ』の意)のように感じられる。
もちろん、今作品は、進行中のプロットを持つ番組でありながら、自らの現状をほとんど進展させないという興味深い立場にある。
ロイドはヨルの秘密の暴力的な職業を決して知ってはならないし、逆にヨルはロイドの二重生活を知ってはならない。
どちらもアーニャの超能力を知ることはできない。
つまり、場映画は、本編と大差ない。 
しかし、劇場版の大掛かりなアクションセットは、この家族が互いの信じられないような能力や動機を疑わないままであることの信憑性を歪めている。
これはショーでもすでにちょっとした問題になっていることだが、ここではその割合がより大きくなっている。
そして、すべての登場人物が、互いにスパイ/暗殺者/エスパーの仕事に没頭するのを目撃することなく参加できるように、アクションを設定しなければならない。
これはそれほど大きな問題ではない。
大げさな銃弾避けることや、説明のつかないスパイ活動に必要なノウハウもそう。
SPY×FAMILYちゅう構図に納得していれば、これらの問題を無視するのは簡単なんやけど。
ただ、小さなスクリーンで見るよりも少し目立つかな。
せやけど、全体的にはうまくいってる。
うまくいっていることの1つは、ヨルに正当なフォーカスを当てていること(壮大なアクションセットは云うまでもない)。
最凶の暗殺者の一人であるにもかかわらず、彼女が活躍する場面はほとんどないが、ここでは、彼女は魅力的でナイーブな殺人マシーンとして輝きを放っている。
見ていてとても楽しかった。
アーニャもロイドも、勿論楽しい。
アーニャはいつものおバカさんで、テレビ番組でおなじみのスパイヒーローの真似をしたくてたまらないが、しばしば自分の手に負えないほどのトラブルに巻き込まれる。
今作品は、アーニャが自然の呼びかけに抵抗しなければならないことを主要な筋書きの軸に据えるという、云うなれば面白い選択をした。
トイレに行きたくなったアーニャが "ウンチの神様 "に出会うカラフルなファンタジーの中に出てくる。
これを読んだ方が想像するのと同じくらい奇妙なシーンでした。
ロイドのスパイ・リソースは、今作品では特にミッション・インポッシブル的。
予知能力がある犬のボンドも、この番組の平均的なエピソードよりも出番が多い。
全体として、テレビアニメよりは、長い上映時間であるだけに、人々が番組を楽しむような魅力と楽しさを備えている。
フォルガー一家と一緒に過ごすのが好きやし、この時間に映画を見に行く価値はあった。
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