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インフィニティ・プールのkanのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.2
「人はどこまでバグれるのか」
SFノワールであり、カルトホラーの色もあり、この蠱惑的で不気味な世界観にクローネンバーグ(息子)の映像表現がドンピシャハマった怪作
possessorのダイブ表現もかなり良かったが、今作へのハマり様は凄まじく、ドラッグのバッドトリップ感に加えてバグっていくジェームズの倫理観を鮮烈に伝えてくれる
"犬"など、露骨に心理描写を表すメタファーが差し込まれるも、そもそも世界がバグっているので違和感なく受け入れられてしまう奇妙な気持ちよさが癖になる
インフィニティプールではプールと海の境目が曖昧になる
プールという社会的人間的枠組みが溶けだしたとき、人の悪意は水のようにどこまでも広がってゆくのかね
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