散歩

インフィニティ・プールの散歩のレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.8
ちょっと前に『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』観たら今度は息子がこれってさぁ・・・(歓喜)。
お金で法という枷が外せると分かった途端の狂気の広がりが怖かったですねぇ。「制度が許してんるんだからやってもいいだろ!」っていうのは欧米(っていうか日本以外)によく見られる傾向で、映画で言うと実名が出る作品が多く作られるのはそういう側面のお陰だったりもするので良くも悪くもなんですが、今作の場合はそれが極めて悪い方向で出ちゃった感じでした。タイトルの通り、個人の中の感情や物語の構造(リゾートと警察とか)の境い目が見ていてだんだんよく分からなくなっていっていく感じを酩酊感のある映像に乗せて主人公と一緒に地獄体験してる気分になりました。めちゃくちゃな話ではあるんだけど、資本主義が凄く悪い方向に進み過ぎたら貧しい国はホントにこんな感じになるんじゃないかという厭な想像が出来てしまう作品だとは思ったし、ラストのバス内の空気とかを観てたら欧米でトロフィーハンティングに興じていた人達ってこんな感じなのかなぁとか思ったりもしてね。あと日本は死刑あり国だけど自分で手を下だせって言われても絶対出来ないので、あの辺も状況に慣れてしまう怖さなのかもなぁ。

まあでも、主人公が序盤から「こいつ、バカなんだな」って分かるので、結構安心しながら観られる作品でもありましたね、個人的に。ブランドンは自分と重ねてるのかな(彼がバカだとは思いませんが)?
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