ただの

インフィニティ・プールのただののレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
5.0
予告を見てそのトンデモ設定に一目惚れし一体どんなトンデモ展開を見せてくれるんだ…!?と期待&不安になりながら見に行ったのですが予想を遥かに超えて堅実な作品でした(褒め言葉です)

特に主人公のジェームズさんの心情やその移り変わりに関するストーリーや画作りが隙なく丁寧なのがとても良かったです
ストーリーだと流され&受け身ジェームズさんが何か思い切ったことをする時にはまず絶対酒かセックスかドラッグが起点になっている、画作りだと相手の顔の見せ方や風景の色調、気候がしっかりジェームズさんの心情に連動しているので、そのお陰で感情移入がめちゃくちゃしやすいです
(あと普通に俳優さんの演技がメッッッッッチャクチャに上手い)
予告で期待していたクローン云々に関しては世界観と割り切ってる感じで割と投げっぱなしなのに全編かなり楽しめたのはこの丁寧さのお陰だと思います
ぱっと見はよくある突き放しっぽく見えるエンディングも、この信頼感のお陰で色々考えようという気になれます
そこだけは答えをはっきり示さなかったのも余韻があって好きです
(他の皆も自分やガビさんたちと同じような暴力性を隠してるんじゃないかと思ってしまって外の世界が怖くなっちゃったんだと思ったんですが見る人が変わればきっとまた違う見方になるはず…)

個人的には冷たい熱帯魚、ミッドサマーに並ぶエログロ世界に突然巻き込まれアトラクション映画でした
この監督の他の作品も見たい!
(作中に登場するジェームズさんの著書に対する書評、監督さんの出自を鑑みると味が出ますね…)
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