なだ

インフィニティ・プールのなだのネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

真面目に考えれば人の弱さをついたホラーかと思うが、実はツッコミどころ満載の面白い作品なのかもしれない。

主演のアレクサンダー・スカルスガルドは、ターザンやヴァイキングなど力強い男の役が多い印象ですが、今作はヒモ状態の売れない作家ジェームズ・フォスター。

外見は2㍍近い長身の体躯だが、性格的に流されやすい弱々男子な役は始めて見た。

先般観た父デヴィッド・クローネンバーグ作品「クライムズ・オブ・ザ・フューチャー」も独自の視点からの近未来を見せられて楽しく困惑した。
それと比較してはいけないが、息子のブランドン・クローネンバーグ監督も「アンチヴァイラル」「ポゼッサー」今作と人の精神的な部分をデヴィッドとは違う独自の世界観を映像で表現していてハマると癖になる。

      🏝

楽しげな南国リゾートを冒頭から不穏な空気にさせた気持ちの悪さ。
この不穏さはラストまでずっと引きずられる。

ストーリーを私なりに置き換えると、ジェームズが新入学早々に女番長(ミア・ゴス)に目を付けられて「コンビニで菓子パン盗ってこい」とか「タバコ吸ってみろよ」とか「オネェさんがいいこと教えてやる」などの飴ムチ攻撃で彼女の言うがままに犯罪に巻き込まれている。

そしてこの島の特産品はクローン製造システム。
もっと医療関係とかに展開して金儲けすれば住民の生活の質が上がってホテル以外が危険区域にならんのにな。
何故か金持ち犯罪者をムダにコピーしてはスケープゴートとして殺すだけで、金持から巻き上げる収入のみと云う…結局富は一部の人間だけのものなのね😅

ジェームズをコピーするのに「ウォレスとグルミット」のウォレスみたいな口ガード姿に吹き出しそうになる🤣(本人真面目な顔だけに)
そして犬とか赤ちゃんとか何かのプレイ!?とも思いましたが総じて「あー良いもん見せてくれたな兄よ」と満足しました。


骨壺3つじゃ足りないんじゃね。とかポリウッドダンスが胡散臭かったり…。

ゴア描写とホラー要素もあるが、何だか新興宗教に入信したら抜け出せない怖さを見た気がする。
なだ

なだ