なかなかの衝撃作。
まず音響が素晴らしい。
どこまでも広がる青い空とエメラルドグリーンの海に降り注ぐ太陽、羨ましいほどのリゾート感なのに、不穏な音響の影響で、これから巻き起こる恐ろしい事件のプロローグが嫌というほど伝わる。
とある事件をきっかけに物語が急展開する流れは、リゾートスリラーあるある。
ただ、そこに突如現れるトンデモ設定で、あ、やっぱりこの映画は一筋縄ではないクローネンバーグ作品なんだと改めて認識。
Filmarksのネタバレ考察の表現を拝借すると、この映画のテーマは、アイデンティティの揺らぎ、自我の喪失、そして歪んだ母性。確かにこれでラストまで全て説明がつく。
直接内容に関係ないポイントにも触れると、オープニングのタイトルロゴとエンドロールのデザインもスタイリッシュで拘りを感じた。