わにたつまき

インフィニティ・プールのわにたつまきのネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます


倫理観をギリギリまで破壊する。

夫婦でリゾートに行ったら変でしたよって話。

この映画に出てくるクローンは、主人公の罪を代わりに償う為に複製される、端的に説明すると代わりに死刑になる、これは、リゾートに遊びに来ている富裕層にだけ許されているサービスで、このサービスを知った富裕層の人々は倫理観がぶち壊れて、罪の意識が無くなる、何をしても複製が死ぬだけだから、挙句の果てには自分の複製が死刑になるのを見て大爆笑していたりする。
倫理観が壊れたセレブ達は銃を持って地元の人間の家に押し入ったり、ドラックをやりながら乱交をしたりする。
主人公のジョージは、その壊れた日常に魅せられて抜け出せなくなる。

この映画のクローンは容姿だけじゃなくて記憶も引き継ぐので、途中で入れ替わったとしても、登場人物達には分からないし、見ている我々にも提示されない、本物と偽物、虚構と現実が曖昧、観ている我々も常に不安定。

この映画を言葉で表すとするなら色々な絵の具を混ぜ合わせた結果ものすごく禍々しい色になった感じで、その中でもものすごく毒々しい色彩を放っていたのは間違いなくミア・ゴス、存在そのものがドラッギーでバイオレンス、主人公をもの凄い方向に追い込んで、元の世界に戻れない所まで追い込みます。

ストーリーを追いかけると迷子になるので、禍々しさを楽しむ映画なのかな?

この作品は映像の麻薬、僕ももう一度体験したいと思い始めている。裸のランチの後味に近いかもしれない。
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