このタイプの最悪な気分は初めてだわ。。不快
スランプ中の作家ジェームズと資産家の娘である妻エムは、高級リゾート地として知られる孤島へバカンスにやって来る。ある日、ジェームズの小説のファンだという女性ガビに話しかけられた彼らは、ガビとその夫と一緒に食事をすることに。2組の夫婦は意気投合し、観光客は行かないよう警告されていた敷地外へとドライブに出かける。実はその国には、観光客は罪を犯しても自分のクローンを身代わりにすることで罪を逃れることができるという恐ろしいルールが存在しており……。
人間のクローンを短時間で高性能で生成できるのに物語のメインはそこでは無く、人の持つ残酷さにスポットを当てたSFホラー作品。
観光客の罪はクローンを処刑することで償えるという狂った制度。
その高い技術があれば先進国になりそうとも思ったけど、多分この世界線ではクローンなんて比較的に一般的なのかもしれない。
クローンの完成度は高く、作中でも自分がクローンではないと言い切れるかといった由良氏もあるけど、もうその時点で気が狂いそうなのだが、本作はそのクローンの身代わり処刑を見届けないといけないからさらに気狂いポイント加算。
自分の処刑を客観的に見届けるってマジで最悪な気分だと思う。それが苦しみながらなら尚の事。
しかし、このリゾート地で出会ったガビ達はすでにこの地の常連。
“遊び方”を熟知している彼女等と交流するにつれて感覚を毒されていくのだけど、そもそもの生活が違いすぎる事でオンオフの切替ができないせいで狂っていく様が観ていてホントしんどいけど、あの錯覚って現実世界でもザラにあるからそれに気付いた時が1番怖い。
しかもザラ達の職業もちゃんとしたものだったことに対してジェームズは書けない小説家で資産家の娘の旦那でヒモ状態。
その差を考えると残酷なまでに滑稽。
そしてクローンを身代わりに死刑にすれば全て免罪なルールも国に大金が入ってくるなら見逃すといういやに生々しい皮肉も伺えてその制度も胸糞悪い。
現地民のことを考えるとオンシーズンは地獄のような気持ちで過ごすのだろうなぁ。しかもそこを国が取り締まっているポーズなだけなことを知っているとしたら…
思っていた以上の胸糞悪い映画でした。
ただこういうの、作品としてたまらなく好き!