アーティスティックな地獄に放り込まれた男のカオスな悪夢。
主演のスカルスガルドは「薄幸イケメン」感を以って観客がグッとノれる演技で魅せてくれるし、やっぱ全編通してミアゴスが凄まじく良い。
最初の処刑シーン前後の様子を見れば、「まず、しっかり殺されるのがオリジナル」という解釈が本筋的には正しい感じもあるが、うまくボカしているのは上手い。観客がなんとなくの不安に包まれる作りの作品には中毒性がある。
ブランドン・クローネンバーグ監督の作品は初見だったものの、「やっぱ蛙の子は…」と言われないだけの独自のフェチを映像に滲ませているのが良かったですね。トリップムービー好きとして大いに楽しませてもらいました。