こっふん

インフィニティ・プールのこっふんのネタバレレビュー・内容・結末

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

2024年 113本目

・ちょっとまじでイカれてる、最高。
・タイトルバックとエンドロール、単色に文字が表示されるだけ、不気味でかっこいい。
・低音が響く不穏な音楽。不安な気持ちにさせられる。
・冒頭、逆さまになっているような、ぐにゃぐにゃして回っているような気持ちの悪い演出が印象的。リゾートを映しているとは思えない不快さ。
・何度かすごいチカチカする場面があった。めちゃくちゃ目に悪そう。
・正直エロシーンはちょっとやりすぎかな。18禁とは言え、度が過ぎる感は否めない。
・血が気持ちいいほど真っ赤。えげつない出血量でも、どこか品があってグロ描写はめちゃくちゃセンスいいと思う。
・ミア・ゴスはとんでもない女優。ちょっとやばいな。本作は完全に彼女あっての作品。演技ではなく、彼女の素なんじゃないかと疑ってしまうレベルの怪演。登場しただけで何か起きそうな危険な匂いがする。一度見たら忘れられない、クセになる魅力がある。ジェームズの乗るバスを止めるシーン、あまりにも異常。
・設定、アイデアが最高。ぶっ飛んでるけど、なんかありえそうと思わされる不思議な説得力がある。金を払えば罪を犯せる、倫理観が狂っていく恐怖。
・2つの顔が混ざったような恐ろしい仮面のデザイン。人間の表、裏の顔、二面性を表していると考えるのは安直すぎる?
・ガビたちの狂った娯楽は、羽を伸ばす、日頃のストレスを発散するバカンスの究極形のように感じた。帰りのバスからは何事もなかったように自然に振る舞う、このオンオフの切り替えが怖すぎる。
・自身のクローンが処刑されることで、徐々に狂気が解放されていく。処刑をショーのように楽しんでいたが、自分には彼らがどういう感情で見ていたのか想像がつかない。
・最後、ジェームズは自分の手でクローンを殺め、衝撃の授乳シーンへ。ジェームズは作品を書けないことからずっと劣等感を感じており、本当は誰かに甘えたかった?それゆえクローンを殴り殺したことでジェームズの中でなにかが弾け、子供返りのような奇行に走ったのだろうか。
・ジェームズはクローンの骨壷を大切に持ち帰ろうとしていたが、一行のおもちゃにされたことで完全に自我が崩壊していた。もう元の生活に戻ることはできないと悟り、島に残った。散々な目に遭ったのになぜ骨壷を持ち帰る?思い出として?狂気が解き放たれる感覚の虜になっていた?島に残ったのは、我々が旅行の帰り際に感じる、帰りたくないな〜、日常に戻りたくないな〜っていう感覚に近いような気がする。
・絶妙な余白が残されていて、考察しがいのある作品。ショッキングな描写が多く、とても万人におすすめできるものではないが、個人的には大満足。
こっふん

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