ゆう

インフィニティ・プールのゆうのレビュー・感想・評価

インフィニティ・プール(2023年製作の映画)
2.8
オープニングはスタイリッシュでワクワク。タイトルバックも結構イケテル。
ストーリの転機となる交通事故までの流れはよい。問題はそこからである。
荒唐無稽な設定は(まだ)許せる。だが、そこに置かれた人間の心理描写が甘い。

インフィニティプールのように、現実と虚構が入り混じるような高尚なストーリ展開を期待したが及ばず。
クローンという題材も活かしきれてない。自分がクローンなのか、本物なのか、悩むようなシーンも見られず(ちょこっと語られるシーンはあるが)

自分そっくりのクローンが超特急で生成されるとか冗談でしょとかヤボなことは言わないが、特殊な体験を経たとはいえ、周りからそそのかされるまま、ジェームズが凶行に至る理由が釈然としない。
ガビ他の登場人物が、ジェームズに執拗に拘泥する理由もわからない。
ストーリと関係してるのかしていないのか、うんざりするような長大なセックスシーンも目に余る。
ジェームズがガビの乳房を赤ん坊のように吸い込むシーンには失笑してしまった。

個人的な話であるが、ホラーがイマイチはまらないことが多いのは、極限状態に置かれた人間描写が十分でないことが多いから。本作もそのパターンであった。
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