Moh

目の見えない白鳥さん、アートを見にいくのMohのレビュー・感想・評価

3.7
なぜ外ばかり観るのか?
すべては自分の内側にあるのに?

私たちが思ったよりも、
見えないと見えるって大した違いはないのではないか?
という可能性を投げかけてくれた

-----以下、書籍から引用---------

見えない人が隣にいるとき、普段使っている脳の取捨選択センサーがオフになり、わたしたちの視点は文字通り、作品の上を自由に彷徨い、細やかなディテールに目が留まる
なあんだ、見えるひとも実はちゃんと見えてないんだとわかると、いろんなことが気楽になったよね

ひととひととの間にある境界線を一歩ずつ越えていこうとすることで、わたしたちは新しいまなざしを獲得する

狙ったぎりぎりアウトにあえてピンポイントにボールを打ち込むことでわたしたちは上滑りする言葉の上な多様性や豊かな社会から一歩先の荒野に足を踏み出すことができる。それこそが本当の意味での豊かさの境界線をぐいぐいと押し広げていくことになる。

感覚にも入り込めない。ただ寄り添うだけなん
ですよ。このことがどれだけ大事なことか。視覚障害者の気持ちになれたと思い込む時点でアウトなんですよ!そのアウトさが世界を覆い尽くしていく。ひとの気持ちになんかなれないのになろうと思ってる気持ちの浅はかさだけがうすーく滑ってる、そういう社会なんですよ。今の社会は。だから気持ち悪いの!だから俺たちはむしろ進んで、いい加減に、この世界で笑いたいんですよ
苦しみも喜びもすべてはその人自身のものだ。だから彼が伝えたい部分は、想像力よりももっと手前だった。寄り添うことしかできない?いや、それもそうなんだけど、そのあと。この世界で、笑いたいんですよ
絵を見る活動で絵を見ようとなんかしていないんですよ。ただ、そこにいる人たちと、いたいんですね
Moh

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