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新生ロシア1991のYのレビュー・感想・評価

新生ロシア1991(2015年製作の映画)
4.0
1991年のクーデターの日、街に繰り出した人々が叫んだ「自由」。
彼らの力で勝ち取った自由。
当時のレニングラードの人々の熱狂の様子が白黒の世界を通して感じられる映像たち。
レニングラード市長の横で無愛想な感じで歩いてるプーチンの顔がなんとも…趣深かった。
国営テレビが全土に流したというチャイコフスキーの『白鳥の湖』の情景は場面の展開の時に流れるのだけど、この熱さと、この後の歴史を知っている私たちにとって、どうしても感じてしまう切なさのようなものを表すのにピッタリの選曲だと思った。

ラッキーなことにシアターイメージフォーラムで行われた金平茂紀さんのトークイベントがある回で鑑賞することができました。
果たして今のロシア人はこの映画の当時のように、今の状況を何とかしなければならないと考える人がいなくなってしまったのか、彼らは声を上げる能力がなくなってしまったのか。この問の答えは絶対にノー。
ぐちゃぐちゃになってしまった国々を立て直し国際社会の秩序を取り戻していかなくてはいけないとき、第三国である日本に住む私たちには一体何ができるだろう。
俯瞰して目を背けずにいること。
ロズニッツァのような真実を語る作品を観ることは、考え行動する大きなきっかけになるはず。
正義の戦争はない という金平さんの言葉に強く強く同意します。

ロズニッツァの作品を次々に日本で配給してくださるサニーフィルムさん、本当に素晴らしくて頭が下がります。

みんな、映画観よう。
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