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新生ロシア1991
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目次

新生ロシア1991の作品紹介

新生ロシア1991のあらすじ

彼らが⾒ているのは“⾃由”の始まりだったのか? 1991年8⽉19⽇。ペレストロイカに反対する共産党保守派がゴルバチョフ⼤統領を軟禁し軍事クーデターを宣⾔した。テレビはニュース速報の代わりにチャイコフスキーの「⽩⿃の湖」を全⼟に流し、モスクワで起きた緊急事態にレニングラードは困惑した市⺠で溢れかえった。夜の街では男がギターを掻き鳴らしウラジーミル・ヴィソツキーの「新時代の歌」を歌い、ラジオからはヴィクトル・ツォイの「変化」が流れた。⾃由を叫んだ祖国のロックが鳴り響くレニングラードは解放区の様相を呈し、8万⼈が集まった宮殿広場でついに⼈々は共産党⽀配との決別を決意する̶̶ 本作品はレニングラードの8名のカメラマンが混乱する市中に紛れ撮影した映像をセルゲイ・ロズニツァが⼿にし、3⽇間で終わった「ソ連8⽉クーデター」に揺れながらもロシアの⾃由のため⽴ち上がったレニングラードを再構成する。

新生ロシア1991の監督

原題
Sobytie/The Event
製作年
2015年
製作国
ベルギーオランダ
上映時間
70分
ジャンル
ドキュメンタリー

『新生ロシア1991』に投稿された感想・評価

netfilms

netfilmsの感想・評価

3.8
 1991年8月19日。ペレストロイカに反対する共産党保守派がゴルバチョフ大統領を軟禁し、軍事クーデターを宣言する。新連邦条約の締結でソビエト連邦を構成する15の共和国(当然ここにはウクライナやバルト3国も含まれる)の権限を拡大しようとした改革派のミハイル・ゴルバチョフ大統領に対し、条約に反対するゲンナジー・ヤナーエフ副大統領ら保守派グループがクーデターを起こすが、ロシア共和国のボリス・エリツィン大統領を中心とした市民等の抵抗により失敗に終わり、この市民の分断が旧ソ連の崩壊を招いた。テレビはニュース速報の代わりにチャイコフスキーの『白鳥の湖』を全土に流し、モスクワで発生した緊急事態にレニングラードは困惑した市民で溢れかえっていた。もはやドキュメンタリー作家としてのセルゲイ・ロズニツァ は監督というよりも、他人が撮影したフッテージを裏ロシア史へ狡猾に入れ込むエディターと言えはしないか。元来の彼は『霧の中』のような劇映画の監督としても知られている。今作では場面転換の唐突な暗転のあと、何度も何度も悪夢のような『白鳥の湖』がそれこそ延々と繰り返されるのだ。

 レニングラード市長のアナトリー・サプチャークは、モスクワのホワイトハウスで市民と共に反クーデターを訴えるエリツィンを支持、レニングラードの各所で開かれた集会やラジオ放送で市民にクーデターへの抵抗を訴える。夜の街では男がギターを掻き鳴らしウラジーミル・ヴィソツキーの『新時代の歌』を歌い、ラジオからはヴィクトル・ツォイの『変化』が流れてくる。この辺りの流行歌の政治利用は体制側と反体制側の決定的な違いがあるものの『理大囲城』とほとんど同じで、自由を叫んだ祖国のロックが鳴り響くレニングラードは解放区の様相を呈し、8万人が集まった宮殿広場でついに人々は共産党支配との決別を決意する。ソ連崩壊前後の混乱の一時期を8人のプロキャメラマンが街路に繰り出し記録したものをどういうわけかセルゲイ・ロズニツァが受け継ぎ、路上でバラバラに起きた事象を恣意的に纏め上げる。『バビ・ヤール』ほど殺気立つような緊張感はない。時代の空気は明らかに流血の時代からの解放を選ぼうとしている。

 ベルリンの壁崩壊や天安門事件、チャウシェスク政権崩壊と89年は時代の転換点で、日本でも昭和天皇崩御など激動に次ぐ激動の時代だった。冷戦は崩壊し、イラン・イラク戦争で中東に新たな火種が勃発した時代にゴルバチョフは新しい秩序を具現化せんとした。それは「ペレストロイカ」と呼ばれ、明らかに市民の意識を変えたのだ。冷戦終結、初の核軍縮条約、ドイツ統一を旗印に新たな世界秩序は誕生したが、社会民主主義とマルクス・レーニン主義とは水と油で、ゴルバチョフの意図に反してソ連はバラバラに解体されたのである。『新生ロシア1991』というのは、ロシアとウクライナが別々に歩みを進める最大の転換点であり、今に至る分断の契機となったとロズニツァは言いたいのだろう。『新生ロシア1991』のレニングラード市街の様子と、長尺だった『ミスター・ランズベルギス』のリトアニアとをコインの表裏で結ぶ。旧体制時代の責任を国家元首はおろか、当時の政治家が誰一人として認めることがないまま今日まで歩みを進めたロシアでは皮肉にも、独裁者プーチンが侵略戦争へと舵を切ることになった。悪夢のようなおぞましい歴史は依然として続いている。
セルゲイ・ロズニツァ監督作品。

「ソ連8月クーデター」に揺れるレニングラード。共産党支配に反対し民主化を求め集まった何万人もの人々。

この時声を上げた人々は今のプーチン体制・ウクライナとの戦争に何を思うのだろう。諦めてしまっているのか、何とも思わないのか。内側から変わる以外に方法はないのだから、もう一度声を上げてほしい。

見所は一瞬映る若き日のプーチン。眼光の鋭さはあいかわらずでした。
「ミスター・ランズベルギス」のセルゲイ・ロズニツァ監督によるドキュメンタリー作品。

1991年に起きた軍事クーデターを機に、レニングラードでの混乱から共産党支配からの決別までを捉えた映像を編集されたもの。

もちろん良かったですが、「ミスター・ランズベルギス」や「バビ・ヤール」における政治的メッセージ、映像の強さに較べると、それより前に制作された今作は、クーデターそのものではなく、それによる混乱する市民の姿が中心で、思っていた感じの作品ではなかった印象でした。

終盤は歴史の転換となる大きな瞬間が描かれているので、重みのある映像にはなっているのですが、全編モノクロ撮影であることが悔やまれるくらい、国旗が変わる瞬間はカラーで見たかったです。

話題には出てくるゴルバチョフもエリツィンも登場しないし、政権側の混乱の映像がないことは、やはり物足りなかったです。

若き日のプーチンを捉えたのは奇跡かもしれないですが、改革による転換があっても体質が変わらない現代から顧みた時、ロシアや周辺国の転換点として、この判断が正しかったのか疑問が残ります。

「白鳥の湖」はこの出来事の象徴ではありますが、何回も使いすぎだと思いました。

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