日本版予告編はミスリードさせているが、イタリアの田舎町の古本屋をめぐる群像劇。
ユニセフのロゴが画面に出た瞬間嫌な予感がしたが、その予想通り、子供の頃に学校や文化センターで見せられた道徳映画のイタリア版だった。
本とそれにまつろうキャラクターとの小芝居を通して、本を愛する事や学問の大切さ、表現の自由、人権、移民への寛容さ、イタリア人も移民になった過去、ネオナチ的愛国主義者の軽薄さ、小児愛者に気をつけろ!とかを啓蒙しているのは結構なんだが・・・
ベテランのドキュメンタリー映画監督の劇映画二作目らしいが、とにかく映画の撮り方が素人目にも下手くそ。
音や画面のつなぎもバラバラだし、公園のエキストラですら、たたずまいが不自然・・・そして説教臭い。内容が正しければ良い映画では無いです。
美しい景色と音楽で誤魔化されませんよ。
道徳映画なのに(意図して道徳映画を作ったわけでは無いらしいが)、ボディコン美女のお尻にズームしたり、SM愛好家の厳つい女性が出てきたりするのはイタリア風味か?
トルコの詩人ナーズム・ヒクメットの名前が出てきてイタリアでは人気があるんだな・・・と驚いたり、ネオナチ青年にお勧めしたイタリア偉人の本が何だったのかは気になった(パンフレットにも出てない)。