ごーふぁー

丘の上の本屋さんのごーふぁーのレビュー・感想・評価

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
4.5
映画『丘の上の本屋さん』
穏やかな賢人で街のメンター的な存在である古書店の店主、イタリアンなお隣の仲良しカフェスタッフとの対比も面白い。
この本屋は独特、人助けで質屋のように本を買い取ったり、本を無料で貸したりする。そして、極右のコワモテ男性をやんわりと啓蒙したりもしちゃう。
移民の子に提示する書籍が徐々に昇華していく様が面白く、究極のお薦め本がラストで明かされる展開も素敵。バックで朗読される無名人の日記も良い。
そして「持ち主が代わり、新たな視線に触れるたび、本は力を得る」と古本好きには嬉しい言葉の例示。
積ん読のサフォンも読まねばと思ったし、ユリウス・エヴォラ、ジョヴァンニ・ジェンティーレなんて哲学者をこの映画で初めて知った。さりげなく教養の重要性を観客も感じるしくみ。
尚、原題は”II diritto alla felicità"。訳さずに、まずは映画を観た方が良い。邦画タイトルが久しぶりに優れている。

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