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丘の上の本屋さんのchinsukoのネタバレレビュー・内容・結末

丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ほのぼのとしたストーリーと硬派なテーマ

イタリアの村にある古書店の店主リベロを通じて本に纏わる人々との交流を描きます。そして本を読むことの意味を優しく伝えてくれます。

特にリベロと移民の少年エシエンの交流が本作の主題となっています。

リベロはエシエンに本を無料で貸し出し、感想を聞かせてほしいと言います。貸した本は童話から始まり「白鯨」やシュバイツアーの伝記と内容が濃いものに変わっていきます。そして最後に与えた本は「君の人生に役に立つもの」でした。

原題が「Il diritto alla felicita(幸福への権利)」で、邦題から来るイメージとは違う物を感じました。

原題が示す通り、エシエンに与えた本が「権利」を知る、守るための道しるべになろうというリベロの願いのような物を感じます。

リベロは、ゴミ箱に捨ててあった古い日記をオルゴールをかけながら読むのが習慣になっていました。

誰が書いたか分からない日記を興味深く読む姿が、本に向き合った人生の最後に相応しく思えました。
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