コマミー

スイッチ 人生最高の贈り物のコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

【人生が変わるコッテギ屋とクリスマスツリータクシー】


[こんなクリスマス映画を観た2023🎄⑤]


いやぁ、まさかこんなに後半泣かされるとは…。

ポスターからはこんな良作だとは正直半信半疑だったが、確かに前半はスター俳優である"パク・ガン"の態度に心底イライラさせられたのだが、後半はそんなの吹き去ってしまうくらい泣かされ、観ている私も切なくなったり、「この魔法が終わらないで」と願ってしまうくらい"パクへの共感"がヤバかった。

偉そうで女遊びも激しいスター俳優も実は"シングルライフにうんざり"していて、マネージャーである"チョ・ユン"を"コッテギ屋"に連れて行って飲みに誘うくらい。そんな寂しい日々を送っていたパクは"小さなクリスマスツリーがポンと乗ったタクシー"を拾い、帰路につくが、"タクシーの運転手"から「人生を選び直したくないか?」と聞かれ、そのまま眠りに落ちる。
…目覚めたら、見覚えのない"家の中"。見覚えのない"2人の子供達"。そして唯一見覚えのある別れたはずの彼女:"スヒョン"。だが彼女はその2人の子供の母となっており、パクは"父親"となっていた。

と言うように、まぁ見た感じはありきたりな"入れ替わり系"映画の典型で、パクは2人の子供の父親で"無名俳優"となり、マネージャーであるチョは以前のパクのようなスキャンダルは日常茶飯事のスター俳優となっていたと言う物語になのだが、後半、そんなパクはだんだんこの自分の家族らしいスヒョンと子供達の事が"手放せなくなり"、感動のクリスマスストーリーへと発展するのだ。
物語の決め手となるのは、豚皮焼肉店の柱に書かれた落書きとタクシーと"父親"だ。詳しくは是非本編を見てほしいのだが、特に感動の決め手となるのはまさにタクシーとパクの父親の存在。これはパクの人生と元の世界にいるスヒョンの人生をも変える要素となり、その"橋渡し的"にタクシーとパクの父親がいた事に感動した。

どれだけ富を手にしたとしても、それを"分かち合える存在"がいなければ、お金なんていくら持ったって寂しいだけだと思う。これはそんな大金持ちが"本当の幸せ"を手に入れるまでの「逆シンデレラストーリー」なのだ。
そんなパクを"クォン・サンウ"が演じていたのも素敵だし。チョを演じたオ・ジョンセもマネージャーの頃とスターになったのをうまく使い分けた演技ができてて良かった。
スヒョンを演じたイ・ミンジョンも元の世界の一女性としての姿と別世界の母親としての姿をうまく使い分けられてる。劇中には、夫である"イ・ビョンホン"が名前だけ登場していて驚いた(ちょっとだけ)。

自分ももし、違う人生を歩いていたならばとつくづく思うことがある。それは金持ちに限らない事だ。だが、"今の人生でも必ずは良い事が起きる日"もあるのかもしれない。
大切な人に想いを伝えたり、家族と過ごしたり…

そんな小さいようで大きな事でも、クリスマスの魔法と言えるのかもしれないと、本作を見て涙を流しながらも心からそう感じた。

上映館、増えてほしいです。
コマミー

コマミー