ぼっちザうぉっちゃー

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのぼっちザうぉっちゃーのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

初遠征で念願の劇場鑑賞。

今回もやはりコメディベースではあったが、明確なバディ対決の趣が変奏的なテイストを感じさせた。
特にちさととまひろが受け手となることで、挑戦者二人が物語を引っ張っているのが印象的だった。
若干ポンコツだが憎めない兄に、定食屋の娘にほの字な弟。バックボーンは全く不明だが、冒頭から展開する二人の会話と空気感が清々しくて、上昇志向に溢れるとても良い好敵手だった。
逆にちさまひの方は、前作でキショくてウザいと切り捨てていた「社会人」としての無自覚から、現状の生活で精一杯といった様子。
そして「2ベイビー」らしく、両組ともほぼずっと一緒にいて、そのタッグ感が全編に渡って繰り広げられていた。

特に今回一応主役のちさまひは、前作が打ち解け合うまでだったのに対して、今回はもうガッツリ仲良い状態からのスタートでまぁいちゃいちゃてぇてぇ。着ぐるみでのガチバトルには爆笑したし、アクションの場面でも手を取り合ったり身体を密着させたり、バディ感がより強まっていた。もうすでにキャラクターコンテンツとしてかなり確立されている感じがする。推せます。(某百合ガンアニメみたいなケツキックお戯れなんかも観れちゃったりして)
日常パートではちさと演じる髙石あかりの好演が光っていた。前作のようなバイトやメイド喫茶での一人外部イベントが無い分、まひろの前での可愛く奔放な様子が目立って、緊迫したシーンとの間により大きなメリハリが生れていた。
そして意外なキーマン田坂他、国岡周りの殺し屋協会の面々がちらほら見えたりした。
前作の切り札マシンガンをノリでぶっ放す宮内は、プリンのやり取りなども通してなかなかの爪痕を残していた。

このように緩急は所々ありつつも主に全体としての「抜け」の部分をちさまひ側が担って、対する神村兄弟パートはコミカルでありつつ、生々しい人の死も映すシリアスな気骨感じるもののような気がした。
しかしそうして、二人の熱意を象徴するような燃え盛るタイトルシークエンスから、かなり「チャレンジャー側」にストーリー的な流れや感情のイニシアチブがあったために、それを迎え撃つ「協会側」・主人公たちのモチベーションには微妙な感じを抱いてしまったりもした。


予告から楽しみであった近接ガンアクションは、射線の意識などもあって通常とは違う難しさがありそうだったが、ガンカタほど組手らしい型の決まり切っていない咄嗟のやり合いというリアリティーが凄まじかった。
そこからラストはやはりまひろのタイマンをたっぷりと。
両者脚を巧みに使ったフェイントを多用していて、強者同士の高度な駆け引きが感じられた。前作のまひろみたいな妄想を神村兄がかましてくるのは驚いたけれど、最後はまた前回同様の頭突きフィニッシュ。
殺し屋らしいさっぱりと乾いたささやかな交流の後、死刑を宣告する様はさながら『処刑人』だった。

このテイストでいけばまだまだ続けられると思うので、じゃんじゃんやって欲しい。
ゆくゆくは国岡登場したりって思ったけど一作目で超かませ犬死にしてたっけ。
まぁともあれ、これからもちさたき、もとい、ちさまひの活躍を楽しみに待ちたい。