友一

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーの友一のレビュー・感想・評価

4.4
「腹立つ〜原辰徳」めちゃくちゃ言った覚えがある……。このシリーズのウザ絡み場面の解像度の高さに毎度驚きます。そして心底気を付けようと思いました。

今回はまひろとちさとを一文無し設定にして同じく貧困を極めるバイト殺し屋兄弟をチャレンジャーとして当てることでテーマ的にも完全に前作の弱点をカバー出来ていて巧い!と膝を打ちました。金持ち設定のままじゃこの話は活きないですからね。

主役チームの2人は結果的に失っているものが無いので、今回はチャレンジャー側の兄弟にガッツリ感情移入させる作りなのも、今後のシリーズ展開を見据えているようで良かったです。(毎作ゲスト殺し屋を主演の2人に当て続けることで永遠にシリーズを量産できる)

まこと&ゆうり兄弟もまひろ&ちさとのifとして機能してるので彼らの顛末もかなり切ないものがありましたね。このまま仲良く、自由に居てくれと願ってしまいました。というか大好きになってしまいましたよ。

クライマックス、丞威さんと伊澤彩織さんとのタイマンバトルに持ち込むための物語的なセッティングとかもう見事で、めちゃくちゃアガりました。

前半のどうでもいい会話が一番燃える場面でリフレインする。これが伏線と回収……さすがの構成だぜ……!

髙石あかりさんと濱田龍臣さんの役者パワーが強い方がドラマを盛り上げ、丞威さんと伊澤彩織さんのアクションパワーが強い方が超絶バトルを展開する。もう、完璧かよ。

でもそんなこと言いつつ今回は丞威さんと伊澤彩織さんの芝居に泣かされるんですけどね。

今回高石あかりさんの演技のデフォルメが強くなってましたね。全然楽しいしノリノリなんですけど、それとあわせてなのか作品全体の空気のオフビート感がだんだん悪ノリになっていくのはちょっと嫌だなあ〜とか思いました。まあでも、そもそも前提になるキャラクターがめちゃくちゃが魅力的なので、…積極的に目をつむっていこうと思います。

個人的なベストバウトは可愛すぎる着ぐるみ喧嘩でした。こんな意味わかんないのに目が離せない喧嘩は『ゼイリブ』以来だと思いましたよ。

2人の部屋の内装で予算のアップ感がわかるのが良かったですが、まだ足りない。幾らでも金を注ぎ込んでこのシリーズを永遠に続けましょう。寅さんみたいにしましょう。

実はやたらめったら暴れまわることはせずアクションシーンの数も限定的にして絞ったり予算も巧みに計算してショボくなく作っている感じもするので、まじでめちゃお金あげて欲しいです。

ザ・レイド GOKUDOやジョン・ウィックぐらいずっとアクションする続編が見たいです。
友一

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