ノラネコの呑んで観るシネマ

極限境界線 救出までの18日間のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.3
これもアフガニスタンからの脱出の話。
ただしジェラルド・バトラーのと違って、韓国のキリスト教宣教団23人がタリバンの人質になった、2007年の実際の事件がモチーフになってる。
ファン・ジョンミンが現地に飛んで対策にあたる外務省の室長、ヒョンビンが室長と図らずもバディとなる国情院エージェント。
事件の推移自体は、ほぼ当時報道されていた通り。
だがその裏でどんなことが起こって、どんな交渉があったのかは外交機密で非公開だから”ビハインド・ザ・ケース”に想像力を巡らせて、フィクションとして描く。
ヒョンビンのアクションは最低限だけど、現実と虚構のバランスはよく考えられていて、もしかしたらホントにこんな展開だったのかも?と思わせるリアリティがある。
韓国映画の「実録物」は、往々にしてエンタメとして盛りすぎて、嘘っぽくなってしまう物が多いが、本作は抑制を効かせてなかなかの仕上がり。
監督イム・スルレなんだけど、前作の韓国リメイク版「リトル・フォレスト」のロハスなムードから一転、色々振り幅が凄い。