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極限境界線 救出までの18日間のレントのレビュー・感想・評価

4.1
国民は国家のためにあらず、国家は国民のためにある。

アフガニスタン、タリバンに拉致された韓国人キリスト教宣教活動家たちを解放するために戦った人間たちの熱き物語。

たとえ無謀にも渡航禁止のアフガンに入国した人間であっても、自国民ならば最後まで諦めずに人質解放のためにその尽力を惜しむことはない。これこそが国の在り方ではないだろうか。

やたらと愛国心だの、美しい国だのと、国民にそんな意識を植え付けようとした為政者は、いざ自国民が拉致されれば、自己責任だとして見殺しにする。そんな国に愛国心など抱けるだろうか。

そもそも「自己責任」とは経済活動する上においての言葉だった。株式投資するなら自己責任で、とかいうように。それがいまでは国家が本来の義務を果たさなくてもいいように言い訳のために使われているのだ。
拉致されたのは渡航禁止の国にわたった人間の自己責任だとして。これは自分たちの責任逃れ以外の何物でもない。

また障碍者支援においても、障害が重いほど費用の自己負担が増えるような改悪までされてるのである。まるで障害を持って生まれてきたのが自己責任であると言わんばかりに。

このように自己責任論はまるで政府の責任放棄のための伝家の宝刀のように使われ、国民たちもその考えを支持した。

自己責任なんて、当事者が言うことであり政府側が言うことではないのに。

本作の拉致被害者たちは確かに非難されるほどの落ち度があった。だが、それで政府が彼らを救援しないでいいという理由にはならない。

韓国政府はそんな拉致被害者たちを見事に救出した。これは素晴らしいことだと思う。

演技派ファン・ジョンミンとイケメンのヒョン・ビン共演はとても楽しめた。
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