コマミー

デシベルのコマミーのネタバレレビュー・内容・結末

デシベル(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

【100dB】





「ひまわり」「マイ・リトル・ヒーロー」などの"キム・レウォン"と「君に泳げ」「The Wich/魔女-増殖-」などの"イ・ジョンソク"が共演した"クライム・アクション"だ。

"100dBに達すると爆発する爆弾"の爆発を阻止する為に、"元海軍副長"が奔走するという物語だ。そしてその爆弾を仕掛けた"テロリスト"も、海軍隊員として副長と共に潜水艦に乗っていた人間で、そのテロを起こした背景にあった"潜水艦での事件"についても着目してある。

100dBで爆発する爆弾についてなのだが、前半や中盤はその要素が功を奏してか、周りの人間が騒ぐ度に「お願いだから静かにして…」と思ってしまうほど"ハラハラ"させられて良かった。
ただ…この要素がちゃんと終盤まで続ければテロリストのサイコ性も含めてちゃんと楽しめていたと思うのだが、終盤は感動シーンに持っていく為にその要素は皆無となってしまい凄い残念だった。終盤に登場したベスト付き爆弾も中々ハラハラさせられたのだが、終盤もちゃんと音に反応する爆弾にすればもっとハラハラが味わえたのではないかと感じてしまった。

そして潜水艦のシーン。テロリストがテロを行うキッカケを作ってしまったエピソードだ。
うーん…確かに"副長の決断"や"周りの動揺"には涙が出てきたし、後にテロリストになる隊員の青年が副長に"恨みを持つ理由"が分かって良いシーンなのだが、結構このシーンがダラダラ続いて申し訳ないが飽きてしまった。最近の韓国のアクションものは、疾走感があって良い作品が多いのだが、本作は割とこのシーンが邪魔してそれが無かった。

特ダネ記者の"オ・デオ"なのだが、コイツは本作のコメディ担当として良い味出してた。だが、私が思うに、本作はこのオ記者が"記者としてメリハリをつけてくる物語"でもあると感じた。"サッカースタジアム"に仕掛けられた爆弾の爆発の誘発を少しでも抑える為に、コートを上半身裸で疾走し錯乱させるシーンは凄い面白かった。"チョン・サンフン"ってよく見たら、オードリーの若林に似ているね。

最初ほどの期待値は下がってしまった作品だったのだが、あの一個一個の爆破シーンが"本物のシーン"が多かった事は驚きだったし、なんだかんだ潜水艦のシーンは泣ける。そして副長の仲間への思いもテロリストのやり切れない思いも充分伝わり、とても硬派な男臭いアクション作品になったと感じた。
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