ぶみ

デシベルのぶみのレビュー・感想・評価

デシベル(2022年製作の映画)
3.5
騒ぐな、危険!

ファン・イノ監督、キム・レウォン主演による韓国製作のサスペンス・アクション。
騒音が一定のデシベルを超えると制限時間が半減する特殊爆弾を仕掛けた犯人と対峙する主人公等の姿を描く。
主人公となる元海軍副長カン・ドヨンをレウォン、高IQの爆弾魔をイ・ジョンソク、テロ事件を追う記者をチョン・サンフンが演じているほか、パク・ビョンウン、チャウヌらが登場。
物語は、冒頭ドヨン等が乗る潜水艦が魚雷のターゲットにされるシーンでスタートするため、いきなり面食らうこととなるが、このシークエンスが潜水艦ものとしてなかなかのクオリティであり、ドヨンが「デコイ全門発射!」と命令する様には鳥肌が立った次第。
以降、時が進み、釜山で爆発事件が起きた後、ドヨンのところにサッカースタジアムに爆弾を仕掛けた旨の連絡が入り、かつその爆弾が、周囲の騒音の音量が一定以上になると制限時間が半減するという特殊なものであることから、ドヨンが阻止するべく東奔西走する展開となっていくのだが、以降も爆弾処理班で働くドヨンの妻が処理にあたったり、はたまた娘が誘拐されたりと、次から次へとテンポ良く様々なエピソードが起きるため、終始飽きることはない。
そして、そんな中でもカーアクションがあったり、途中からドヨンと行動をともにすることとなるサンフン演じる記者がコメディリリーフとして機能し、時折笑いをもたらしてくれたりするのは韓国作品らしいところで、もはやお家芸。
そして、事件の真相には冒頭の潜水艦のシーンが鍵となってくるのだが、そこだけ取り出しても、結構なドラマが詰め込まれているため、潜水艦パートだけでも一本作品を作ることができるのではと感じた反面、結局のところ、犯人が音量に拘った爆弾を利用した理由がよくわからなかったのは、脚本として弱かったかなと感じた部分。
前述のように、タイトルになっているデシベルに対する拘りがあまり描かれていなかったのは残念ではあるものの、その設定の掴みの良さや、爆発の派手さ、ノンストップとも言える息をつかせぬ展開は期待どおりのものであるとともに、入場特典で貰ったブロマイドのチャウヌのイケメンぶりにヤラれつつ、日本版リメイクを作るなら、ドヨン役を堺雅人か鈴木亮平、爆弾魔として高橋文哉一択が頭に浮かんできた一作。

ベストの名前は、「連理の技」。
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