YUEL

ひとくず 新ディレクターズカットのYUELのレビュー・感想・評価

3.6
今まで見てきた虐待モノとは
少し違うタイプの作品だった。

男だけに依存するタイプの母親が
子供を見捨てている。
そこまでは、よくある虐待の構図だと思うのだけど…

そこに、とある男が強盗に入ったのが
偶然、ボロボロになった女の子1人が
閉じ込められたネグレクト部屋だった…というありそうで無かった展開。

虐待されてる女の子+強盗男
さらにその部屋に母親が
帰って来たらどうなるか…
そんなお話。


⚠️内容に触れます

まりちゃんがカネマサに
少しずつ心を開いていく感じが
救われる気がして良かった。

カネマサもリンさんも
虐待するような親の元で育って、
自分も大切にできないんだから
当然人の痛みも気持ちもわからない。

いい大人が会う人会う人を罵倒しまくり、
精神的な成長が止まっているような
カネマサ。
見ているこっちが
悲しくなるような人。

でも、まりちゃんと出会って
自分の傷を下敷きにしながらも
人を大切にし
努力している姿はとても
清々しかった。

こうして見ると
「悪い人」も過去やバックグラウンドのせい
であって、元々の悪人なんて
いないんだよなと改めて気づく。

個人的に最後のお母さんのくだりは
必要だったのか…
そこを作るとしたら、もうちょっと
描かれていないと
そこで「母ちゃんっ」ってなるもの?
とちょっと疑問でした。
YUEL

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