ベンジャミンサムナー

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのベンジャミンサムナーのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
4.0
 原作、TVドラマ版は全話視聴済み。

 TVドラマの時点でそうだけど、まさか『ジョジョ』の世界観を実写でここまで違和感なく描けるとは!

 このシリーズがスゴイのは、原作から色々設定を変えてるのに自分を含めた原作ファンに受け入れられてるところ。

 原作モノの映像作品は、「原作通りやればいいんでしょ?」と脳死で表面だけ原作を再現するモノが少なくない。
 
 だが、本当に原作愛があれば、「勘所を押さえた改変」ができる。

 まず秀逸なのは、やはり衣装デザイン。
 ジョジョらしくありながら、コスプレっぽくならない絶妙なテイスト。

 漫画では2回ほどしか登場しない担当編集の泉京香を、ホームズにおけるワトソン的立ち位置でレギュラーキャラ化することによって露伴のキャラをより際立たせている。

 奈々瀬演じる木村文乃が登場する過去パートは、肌に汗が滲んでるのもあって原作以上に官能的な雰囲気を醸し出してる。

 そして、非常に稀有な実際のルーヴル美術館で撮影された後半は観光映画的な趣きもある。
 あの地下倉庫のシーンも実際のロケーションなのだろうか?

 本作は原作の内容を膨らませて遠い祖先のエピソードを掘り下げてるのが、まさに血筋の物語である本家の『ジョジョ』っぽさもあって良い。

 この勢いでトニオさんと密漁する回や『岸辺露伴グッチへ行く』も実写化してくれ!
 
 自分が観た回は若い女性が多かったけど、高橋一生ファンの層なのかな?