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岸辺露伴 ルーヴルへ行くののんのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.8
スローテンポだが劇場で見る価値あり


『ジョジョの奇妙な冒険』は2017年の実写版が意外に好きなクチなので、続編が出ないのにがっかりしてるところだが、こちらはNHKドラマも好評を博したスピンオフの映画化でコンセプトも観客受けも大分違うと思われる。

NHKドラマらしいリッチな画の作りにルーヴルでのロケ映像が加わっていて、視覚的には見応え充分。なぜルーヴルの風景は撮影するだけで画になるのかわからないが、見ていて損はない。

ドラマ版に対して尺が2倍以上あるので、かなりスローテンポな作劇だが、クライマックスのシーンなどは地上波のテレビ放送だと確実にディティールが潰れてしまうので、かっちりと映画フォーマットでやったのは正解だと思う。

ドラマ版から引き続き作品を牽引する高橋一生はやはり画面の引力が凄まじい。相変わらず加藤雅也にしか見えない安藤政信もよかったが、本作のベストアクトは妖艶な雰囲気で魅了する木村文乃。昨年の『LOVE LIFE』に続き素晴らしい演技を披露しており、彼女なしに本作は成立しなかっただろう。名演。
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