アイアイ

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのアイアイのネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

(観てすぐに書かないとよくないですね。どんどん面倒臭くなってました(笑))

うーん、物足りない。
中編の原作に、贋作の話で縦軸を、仁左右衛門の話で横軸をかなり足して一本の映画になるようかなり膨らましてはいるけど…
映画に短し、スペシャルドラマに長しって感じ。(尺もだけど、物語の規模感?ルーブル行くからスペシャルだと難しいよね)
原作の時から、何か物足りないんだよなあって思ってたけど、理由が分かりました。
癖強なキャラです。ドラマの時にはいた十五や、ザ・ランの男、乙雅三、ジャンケン小僧みたいなキャラがいない。
露伴先生が癖強キャラと対峙するのが面白いし好きだったんだなあと。

オリジナルで癖強キャラは入れにくいかもだけど、オークション辺りで難しいか…
安藤政信のキャラもあれ以上胡散臭さとか濃くするとミステリーが成り立たんか…

まあ、今回も面白いには面白かったですよ。
冒頭のいつもの2人使っての露伴紹介シーンはいいですね、安定感あって(笑)
これまで2人が露伴邸に来てたのに、今回は露伴の方が2人の店に行ってて、何となく今回は“動かない”じゃなくて“行く”だからかなと。
あとここで、原作表紙のヘブンズドアポーズ(左手の人差し指と中指くっついてるやつ)入れてくる高橋一生、変態だと思います。

気になったとこから書いとくと、z13倉庫のシーン。
その前までのルーブル美術館のシーンが圧倒的によかっただけに、ちょっと一気に見劣りした印象。
ルーブルの本物ってやっぱすごくて、重みがあって、衣装が基本モノトーンなおかげで、壁画含め美術品が映えるなあと。
(今回の露伴、一期と衣装似てるけど、ちゃんとルーブルにふさわしいスーツぽくなってたのよかったですね。相変わらず、ジョジョの個性的な雰囲気を形で残しつつ、色味抑えて実写に合うようにしてるの流石です。)

そこから地下通路含めz13倉庫、一気に「ここからは日本で撮った」って分かる感じ。多分倉庫内はセットかな…(と思ったらパンフで大谷資料館と解説ありました。すみません。だから火が使えなかったのか…?)
なんか、軽く感じてしまった。(日本にいる外国人俳優感もほんとに若干ある気もするんだよな~、言葉にしにくいけど、再現VTRにいそう感?)

人が燃えるシーンも、燃えながら動くシーンの火がCGなのはまだ分かるとして、倒れた後は本物の火を使って欲しかったなあ。くしゃがらで喉の奥を模型作ったりしてた制作陣なら、人形燃やしたりしそうな気もしたんだけど…。(リアリティを求めてよ…。)

あと、本物の最も黒い絵。これは解釈違いかなあ。夢に出てきそうな怖い日本画になってたけど、仁左右衛門は奈々瀬をそうは描かないと思うんだよな。美しい黒髪を、優しい表情で描く気がするんだけどなあ。

良かったとこは、木村文乃。
まじあの木村文乃、最高。
誰ですか?夏の汗粒が出るほどではないけど、ほんのり肌がしっとり、もっちりするような、あの湿度感、夏だけど涼しげな感じもある、あの空気感。それを木村文乃に纏わせたのは誰ですか?
最高です。艶っぽさっていうのか、エロではないんですよ、思春期(を過ぎた私)にブッ刺さる、あのキレイな憧れの年上のお姉さん感。ありがとうございました。

てか、倉庫シーンの奈々瀬は絵から出てきたとして、青年期と最後に露伴が出会った奈々瀬は何だったんでしょうね。ヘブンズドアが効いたってことは、死者ではないだろうし。生き霊って解釈でいいのかね。あの絵と結び付いた精神体、魂で、まだ死んではないっていうことかな。
(他にもヘブンズドアを露伴自身に使ったとかも気になるけど、原作からそうだから気にしません)

これで実写露伴シリーズも一区切りついた感じあるけど、今年の年末はどうなるんだろう。楽しみ半分、ちょっと慣れてきたから来年まで焦らしてもいい気もする。

(泉くん、あの絵耐えたの強すぎません?多分、先祖代々あのカラッとした感じなんだろうなあ。ほんといいキャラしてる。)
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