せっち

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのせっちのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
4.2
本編であるジョジョの「人間讃歌」というテーマを受け継ぎ、人間のより深いところに切り込んだ怪奇ホラーな本作はドラマ版に引き続きスクリーンでも素晴らしい出来だった。高橋一生の演じる露伴がもう完全に露伴でしかない。また飯豊まりえ演じる泉くんは原作ではほとんど登場しないが、本シリーズでは露伴のバディとして主演を張っておりその存在感は大きい。

本作では「黒い絵」にまつわる怪しい話と露伴の過去を紐解きながら展開していく。特に過去パートの木村文乃の妖艶さと黒い絵について語るシーンがすごい。

ルーブル美術館の美しさと底知れない未知の闇は凄まじい対比で引き込まれたし、ミステリーとサスペンスとホラーが混ざったまさに「岸辺露伴」な展開の後半が素晴らしい。カメラワークと間の取り方がその怪しさをぐっと際立たせている。

そして何より泉くん!強すぎる、強すぎるよ。とんでもない精神力の持ち主なのか?彼女の底なしの明るさが基本ダークテイストな作品を明るく彩っていていいバランスだった。
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