10円様

岸辺露伴 ルーヴルへ行くの10円様のレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.8
 露伴がドラマ化するっつぅからよぉぉぉ〜
 いっつもなら観ねぇドラマを垂れ流してたら…これがバチクソで敬意を払った作りになってるじゃぁあねぇかぁ、荒木先生によぉ〜
 これならNHKに受信料払ってる意味も生まれてくるんじゃぁあねえのかよぉぉ‼️

 ドドドドドド…ゴゴゴゴゴ…

 というわけでその映画を観ました。
 ドラマは全話鑑賞済み。原作も20回くらい読んでます。フルカラー版も持ってます。
 つまり私は生粋のジョジョ信者なんですよね。
 最初、高橋一生の露伴はあまりしっくりこなかったんですよね。と言うのも露伴ってエピソードによっては年齢不詳なところがありますが、30は越えてないと思われます。年の割には冷静かと思いきや、若者らしい非常識な行動もありますしね。ちなみにルーヴルの時は27歳です。
 それを高橋一生が演じるには歳が行きすぎてると思ったんですよね。でもドラマの作りが丁寧だったので、許している内にもう高橋一生が露伴にしか見えなくなってきました。

 本作、舞台がルーヴルという事で映画ならではの豪華な作りになっていましたが、うーん、盛り上がりはドラマのそれとあまり変わらないような。登場人物も少なく、スケールも小さいです。まあここが原作に忠実であるわけで評価ポイントなんですけどね。
 そして評価ポイントと言えば、原作で触れていなかった、ファンが知りたいと思っている事をやってくれた事でした。ズバリ「仁左右衛門」の過去をちゃんと明らかにしてくれた事ですね。原作では神木を切って処罰された。としか描写がなかったので、人物像が分からずミステリアスなままで終わっていまさた。そこをしっかりと描いてくれたのはディモールトグラッツェですね♪

 その他の脚色は原作の流れを大きく変えない程度に割とジョジョらしいエピソードを盛り込んでいて、お話を考えた人はジョジョ読み込んでるかファンなんだなぁと感じましたね😊
 脚本を担当したのはジョジョアニメの脚本もやってる小林晴子なので、まあ納得しましたね。
 あとはやっぱり泉京花が露伴の助手役でルーヴルにちゃっかり付いてきてるのは、日本の探偵映画によく観られるやつですね。冷静な探偵に抜けてる女の子助手。確かに本作、泉京花がいなかったら花がないんですよね。そこは大人の事情ってのが入ってると思うんですが、京花のキャラが可愛いので良しとしましょう。

 残念だったポイントは、ルーヴルのZ13倉庫でのシーンなんですが原作の緊迫感が全く表現出来ていない事かな。三池崇史のジョジョ4部みたいに派手なアクションで切り抜けるシーンではないので、演技が重要となってくると思いますが何か皆で騒いでただけな気がします…

 キャストはしっかりフランスの人使ったり、ちゃんとしたフランス語と日本語喋られる人使ったりしていて良かったですね。でも一番良かったのは木村文乃でも飯豊まりえでもなく、露伴のお婆ちゃんでしたね😆あれは原作通りでビックリでした!

 ジョジョファンだから甘めの点数なんですが、もうちょい映画的な要素が欲しかった所。でも原作はそんなに長くないし、それでもよくここまで話を膨らませられたなと、ストーリーテリングはとても良かったというのが印象です。あとルーヴルのトリビアもここで知れました。館内での模写はOKで、模写をする場合は本物より2割大きくするというね。へぇ〜って感じ。

 岸辺露伴。十中八九は荒木飛呂彦先生を投影させたキャラ。というか荒木先生の願望が詰まったキャラなのかな?
 荒木先生に「何のスタンドがほしいですか」と聞いたら「人見知りで取材が苦手だからヘブンズドアーがほしいなぁ」と答えている記事を読みました。単行本の巻頭コメントだったかな?こういうカラーで映像化されたわけですが、先生はどう思っていらっしゃるだろう。合格点は上げたと思いますが…

 あっ!最高にダメだった点を一つ思い出しました!

 「ジョジョ立ちがない!」
10円様

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