TV版に続く高橋一生のはまり役と木村文乃の怪演
NHK岸辺露伴シリーズの劇場版。
舞台はパリ、ルーブル。
ルーブル美術館は実際に行ったことがあるが、3日あっても回りきれないほどの途方もない広さ。
人智から成り立つ場所であるのに、人類が管理掌握できる範囲を超えてしまった空間。
高橋一生だからこそ成り立つ妙にリアルな岸辺露伴像、星新一のような奇怪な展開、パリの重々しい曇天、日本の汗ばむ初夏の憧憬。
全てが絡み合う映像美。
木村文乃の薄幸な雰囲気はぴったりで、現代の見返り美人図。
最後のクレジットを背景に、露伴がひたすらに黙々と漫画を書き続ける背中も好き。