NHK連ドラ『岸辺露伴は動かない』の映画化作品で、NHKドラマの映画化では史上最高のヒットを記録した作品。ドラマ版からキャスト、スタッフは続投し、原作でも人気の高いルーヴル編の映像化となった。
やはり、TVドラマの延長線上に位置するストーリーでありながら、演出はTVドラマの域を出てこない。岸辺露伴と泉が世の怪奇を調査する探偵ものとしての面白さはあるものの、映画という媒体ではいささかスケールの小ささが否めない。タイトルにもあるルーヴル美術館もほんの10分程度の登場であり、それよりも若き岸辺露伴と関係のある呪いの絵画、女性との出会いのエピソードにかなりの尺が割かれている。
急に時代劇が挿入されるので余計に安っぽさが助長されていたことが残念ではあるが、岸辺露伴というドラマを2時間拝めただけでも有難いのかもしれない。本当にTVSPで済ませられる内容だった。