冒頭の事故シーンの臨場感は、婚約パーティのフワついた雰囲気の中、渋滞が緩和されたタイミングでスマホを弄り出す主人公に思わず”Hands off Idiot!!!”と叫ばずにはいられない。
日本人なら自責の念から内に引き篭もりそうだが、F•ピュー演じるアリソンは違う。
事故の原因は自分ではないと言い張り、周りの人間を困らせ当たり散らし、クスリに逃げ込もうとする。
実家暮らしをいいことに、自分を憐れんでる高慢な女性にしか見えない。
多感な十六歳のライアンに手を焼く祖父のダニエルの息子のネイサンとの過去の後悔から絶っていた酒に手を出し、ようやくアリソンに対して本音をぶつけて逃げ場を奪い詰める事で、アリソン自身もやっと底に落ちて事実を受け止め、本気でやり直す機会を得る。
この酔っ払いとラリっている女のやりとりの演技は見事だった。
Amor fati
平坦な人生なんてない。
運命を受け入れ生きてゆく。
それを諭される映画だった。