原作漫画ちゃんと読んでないので、あれこれ語るのは少々憚られますが…
もう冒頭から、提示される世界観…そのイマジネーションに脱帽、ですね。「もののけ姫」とも通じる背後のテーマについて思索にふけるのも面白いのですが、先ず表面的な部分、“どん！”と画面に出された「腐海」「王蟲」「巨神兵」のビジュアルに『うぉぉ…なんっじゃコリャ…！？！』と、観る度に圧倒されてしまいます…。
アクションに関しては、主に「走り回っていた」カリオストロに対し、いよいよ「そらをとぶ」へと発展。本作から迎えた久石譲の音楽とも相俟って、“ジブリ・宮崎アニメ”ムードのエッセンスが、まざまざと見受けられます。
…そしてその一端でもある「ヒロイン像」。主人公・ナウシカさん。…大人になるにつれ、正直このキャラクターの「汚れや濁りを徹底的に排した人物造形」には、嫌悪とまではいかなくとも、やや違和感を覚えるようになってしまったかもしれません…。少女のあり得ねぇ程の労りと友愛なんかに奇跡託してんじゃねぇよ、と。
その他、映画だけだと巨神兵が結局何だったのかよく分からなかったり、クシャナが帰ってもトルメキアの脅威は消え去ったわけじゃない…等、漫画版を読んだ事がなくても（特に後半は）2時間の尺に対して、どうしても窮屈・駆け足な印象が拭えないのですが…
…やっぱり一度ちゃんと漫画、読んどくべきですね…。
